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プロ野球

【セ・リーグCS 1st展望】DeNAは苦手阪神の投手陣を打ち崩せるか。キーマンはDeNA梶谷、柴田。阪神はガルシアの起用法

氏原英明

2019.10.05

 打線は両極端のスタイルだ。
 
 DeNAは163本塁打を放っているのに対し、阪神は94本のみ。一方、盗塁は阪神が100盗塁を記録しているのに対して、DeNAはたったの40個しかない。お互いの対戦を振り返っても、DeNAは打撃戦に持ち込みたい印象が強く、阪神は序盤での失点を抑えて着実に加点してものにしている。


 DeNAの打のキーマンは梶谷隆幸と柴田竜拓だろう。

 今季、1番打者が定着しなかったDeNAだが、8月の昇格後に好調をキープしている梶谷を据える形が理想的だ。ガルシアや島本浩也、岩崎優が途中から登板することを想定して、右打ちの中井大介はベンチに置いておく。大和は阪神戦の打率はいい方だが、第1戦先発の西との相性が悪い。8・9月の打率が.350を超えている柴田を抜擢するのが得策だろう。
 阪神は1番の近本光司の出塁がカギを握る。
 
 初戦の先発・石田とは対戦数は少ないが、3打数2安打。彼の出塁から主導権を握り、1点を確実に取りにいって守りきる勝ちパターンでシリーズ全体の流れをも呼び込みたい。


 勝利への哲学がまったく異なる両チーム。

 
 どういう試合展開に持っていくかで勝敗は分かれるだろう。DeNAが序盤から得点を奪えれば優位に試合は運ぶだろう。序盤から少ない得点での勝負となれば阪神のゲームと見るが、果たしてどう運ぶだろうか。


 両者のCSというと因縁がある。2017年に2位だった阪神が本拠地にDeNAを迎えて敗れ、そのDeNAが日本シリーズまで突っ走った。阪神側からすれば2年越しのリベンジを果たし、ファイナルステージに弾みをつけたい。

文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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