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プロ野球

【プロ野球トレード収支の大検証:第6回】平成最大の衝撃のトレード――日本ハムリーグ優勝の立役者・糸井がまさかの放出

出野哲也

2021.01.05

<オリックス>マイナス面がほとんどない最高のトレード
 糸井はオリックスでも日本ハム時代と変わらぬ活躍を続けた。13年は打率.300、17本塁打、33盗塁でPV30.8。続く14年はすべて自己記録を更新する打率.331、19本塁打、81打点。出塁率.424は1位、長打率.524は3位で、PVはリーグトップの50.2に達し、オリックスが首位のソフトバンクとはゲーム差なしの2位へ躍進した一番の要因だった。

 15年は打率.262/PV12.5と下降したものの、続く16年は.306(4位)へ再浮上。53盗塁も1位で、PVは29.0(5位)まで回復した。同年を最後にFAとなって阪神へ移籍してしまったが、オリックスでの4年間の合計PVは122.4にもなった。しかも、守備でもこの間3度ゴールデン・グラブを受賞。同賞は印象で決まる部分も多分にあるとはいえ、PVでは反映されない守備面での貢献も多大だったと考えられる。
 
 八木はオリックスでの2年間で6試合に投げ1勝もできず、PV-7.2で14年オフに解雇。15年から中日へと移籍した。木佐貫の抜けた先発ローテーションに穴は生じたが、オリックス投手陣は12年のチーム防御率が3.34で6位だったのが、13年は3.31でリーグトップと劇的に改善され、影響はほとんどなかった。

 また、大引に代わる遊撃手には2年目の安達了一が起用された。13年は打率.235、5本塁打、出塁率.299でPV-6.1だったのが、14年は打率.259、8本、出塁率.345でPV7.8。グレードアップすると同時に若返りにも成功している。オリックスにとってはマイナス面がほとんどない最高のトレードになった。
 
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