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地区シリーズで“サイ・ヤング賞投手”3人の明暗くっきり!剛腕にひねられた相手監督は思わず「バーランダーにしてやられた」

藤原彬

2019.10.05

強力ドジャース打線相手に1失点と好投したストラスバーグ。(C)Getty Images

強力ドジャース打線相手に1失点と好投したストラスバーグ。(C)Getty Images

 ドジャース対ナショナルズの第2戦は、サイ・ヤング賞獲得経験のある2人のマッチアップが注目を集めた。ところが投手戦にはならず、息詰まる場面は終盤のみ。反攻に転じたドジャースが9回に逆転のランナーを置いたところで球場の盛り上がりは最高潮となったが、初回に1点、2回には2点を奪われたのが響いて2-4で敗れた。

 序盤に失点を重ねたのは、ドジャースのクレイトン・カーショウ。結果として6回3失点にまとめたが、“最強左腕”の称号を得たかつての姿からは程遠かった。昨年までのプレーオフ通算30登板で9勝10敗と負け越し、防御率4.32が示すとおりの内容だ。ここ数年は全盛期の支配力が薄れ始め、投球に試行錯誤を重ねているが、「ポストシーズンで力を発揮できない」のレッテルを剥がす戦いの行方も、次のラウンド以降に委ねられた。
 
 対照的に、序盤から援護を受けたナショナルズのスティーブン・ストラスバーグはすいすいと投げ続けて4回まで走者を許さず。高めの速球と低めへの変化球のコンビネーションが冴え、強力打線から10三振を奪って6回を3安打無四球1失点に抑えた

 8回には、3日後の第4戦に先発するマックス・シャーザーが3者連続三振を奪う、圧巻の救援登板。初戦は0-6の完封負けを喫し、リーグ最多106勝をマークした相手との力の差を見せつけられていたこともあり、この試合を落とせばシリーズを一気に持っていかれかねなかった。最後は追い上げられたが、執念を見せたナショナルズが逃げ切りシリーズを1勝1敗のタイにした。

 一寸先は闇の短期決戦にあって、最大の強みである先発投手の好投を勝ちにつなげられたことは、チームに勢いをもたらしそうだ。今季、リーグ最多の209投球回をこなしたストラスバーグは、ワイルドカードと今日の登板を含めて自己最多の218回に達した。“ガラスのエース”の汚名を完全に払拭できれば、球団史上初のワールドシリーズ進出がグッと近づくだろう。

 明暗分かれたサイ・ヤング賞投手たち。現地5日のアストロズ対レイズ第2戦は昨季のサイ・ヤング賞投手ブレイク・スネルと今季のサイ・ヤング賞候補ゲリット・コールが先発のマウンドへ上がる予定だ。

文●藤原彬

ふじわら・あきら/1984年生まれ。『スラッガー』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。

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