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プロ野球

【2021展望:日本ハム】耐久性に不安を抱える杉浦は新クローザーとして機能するか。守備の立て直しも急務〈SLUGGER〉

出野哲也

2021.03.24

●杉浦のクローザー抜擢は成功するか

 昨年までの秋吉亮に替えて、今季は杉浦稔大がクローザーを務める模様だ。ヤクルト時代にも抑え候補になったことがあるくらい速球の威力があり、3月3日の西武戦は1イニングを3者三振。ダルビッシュ有(パドレス)がツイッターで「すごい球」とつぶやいたほどだった。

 だが、抑えが適任かというと必ずしもそうとも言い切れない。これまで怪我に悩まされ続け、昨季も先発で起用される際は十分な間隔を空けていた。そんな投手が年間を通じて2連投、3連投に耐えられるのか、疑問を持たざるを得ない。当然、栗山監督以下の首脳陣は行けると判断したからこそ配置転換を決めたはずだが、故障が再発しては元も子もないので、他の投手と併用するなどして慎重に起用したい。
 
【2021年のキーマン】
渡邉諒

 攻守両面でキーマンとなりそうなのが渡邊だ。まず打撃では、昨年は4番の中田翔の後の5番を打つことが多かったが、オープン戦では1番で起用された試合もあり、西川と近藤健介の打順次第で3番に入る可能性もある。長打力はそれほどでもないものの出塁率は比較的高い渡邊は、走者を還す役よりテーブルセッターが合っているので、できるだけ上位で使うのが望ましいだろう。一方、守備では、昨年は二塁手としてリーグワーストのUZRを記録してしまった。問題はフィールディングよりも併殺完成度の低さ。パートナーとなる遊撃手が固定されていないせいもあるが、送球時にややもたつく印象もあって、せめてこの点だけでも改善したい。

文●出野哲也

【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。
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