●内野の攻撃力向上&主力野手の世代交代
たとえ柳田が元気でも、攻撃陣に心配の種がなくなるわけではない。内野の打力が明らかに低いからだ。昨年は内野全ポジションで得点貢献値がリーグ平均以下。長年、主軸を張ってきた三塁の松田宣浩は自己ワーストのOPS.667、38歳の年齢的にも再上昇する見込みは薄い。
中村晃の長打力は一塁手でリーグ最低レベル、栗原陵矢は逆に長打はあっても出塁率が低い。遊撃は今宮健太の体調に左右され、二塁の周東佑京も足は超一流だが打撃は平凡と不安要素も少なくない。松田の後継者として期待される野村大樹やリチャードも一軍定着は時期尚早の感が強い。昨年のドラフトで佐藤輝明(現阪神)を外したのがつくづく惜しまれるが、そうも言っていられない。現メンバーでは最も攻撃面の伸びしろが高い栗原のさらなる成長を底上げにつなげたい。
【2021年のキーマン】
今宮健太
14年から5年連続ゴールデン・グラブに選ばれた名手も、ここ3年は怪我続き。昨年は左足ふくらはぎを負傷し、一軍定着後では最少の出場43試合に終わった。今季もキャンプイン早々に両ふくらはぎを痛めるなど体調面の不安は拭えないが、前述した内野の攻撃力という点でも、今宮はキーマンとなる。近年はパンチ力を身に着けてかつてのバント屋のイメージを払拭。昨季もOPS.730を記録し、故障後に代役を務めた川瀬晃(.501)や牧原大成(.579)とは大きな開きがあった。本人も今季へ賭ける意気込みは強く、復活に期待が集まる。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。
【宮崎キャンプPHOTO】ソフトバンク|今季初の紅白戦で若手が猛アピール!
たとえ柳田が元気でも、攻撃陣に心配の種がなくなるわけではない。内野の打力が明らかに低いからだ。昨年は内野全ポジションで得点貢献値がリーグ平均以下。長年、主軸を張ってきた三塁の松田宣浩は自己ワーストのOPS.667、38歳の年齢的にも再上昇する見込みは薄い。
中村晃の長打力は一塁手でリーグ最低レベル、栗原陵矢は逆に長打はあっても出塁率が低い。遊撃は今宮健太の体調に左右され、二塁の周東佑京も足は超一流だが打撃は平凡と不安要素も少なくない。松田の後継者として期待される野村大樹やリチャードも一軍定着は時期尚早の感が強い。昨年のドラフトで佐藤輝明(現阪神)を外したのがつくづく惜しまれるが、そうも言っていられない。現メンバーでは最も攻撃面の伸びしろが高い栗原のさらなる成長を底上げにつなげたい。
【2021年のキーマン】
今宮健太
14年から5年連続ゴールデン・グラブに選ばれた名手も、ここ3年は怪我続き。昨年は左足ふくらはぎを負傷し、一軍定着後では最少の出場43試合に終わった。今季もキャンプイン早々に両ふくらはぎを痛めるなど体調面の不安は拭えないが、前述した内野の攻撃力という点でも、今宮はキーマンとなる。近年はパンチ力を身に着けてかつてのバント屋のイメージを払拭。昨季もOPS.730を記録し、故障後に代役を務めた川瀬晃(.501)や牧原大成(.579)とは大きな開きがあった。本人も今季へ賭ける意気込みは強く、復活に期待が集まる。
文●出野哲也
【著者プロフィール】
いでの・てつや。1970年生まれ。『スラッガー』で「ダークサイドMLB――“裏歴史の主人公たち”」を連載中。NBA専門誌『ダンクシュート』にも寄稿。著書に『プロ野球 埋もれたMVPを発掘する本』『メジャー・リーグ球団史』(いずれも言視舎)。
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