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プロ野球

【復活を期す男たち・パ】昨季不振の山川はオープン戦で驚異弾連発。西川はMLB挑戦の挫折を糧に

藤原彬

2021.03.26

■松井裕樹(楽天)
 豪華絢爛な先発陣が作った試合を、最後は松井が締める。今年はそんな場面が多く見られそうだ。19年に防御率1.94でリーグ最多の38セーブを挙げたが、昨季は先発に転向。ゲームメイクを意識したためか、持ち前の打者を威圧する躍動感は鳴りを潜め、終盤はブルペンに戻った。それでも、先発挑戦を無駄にはしない。長いイニングを投げて学んだ配球を生かし、現役時代は同じ左腕だった石井一久監督もアドバイスを受けながら、今季は複数イニングもいとわない覚悟。13年に続く球団2度目のリーグ優勝や日本一の瞬間に、胴上げ投手として立ち会うことができるだろうか。

■西川遥輝(日本ハム)
 昨季は自身2度目の打率3割超えに加え、OPS.825はキャリアハイ。リーグ2位の42盗塁も併せて攻撃面では自己最高ともいえる成績を残し、本来なら復活を目指す立場ではない。だが、オフにはポスティングによるメジャー移籍を目指したが満足なオファーは届かず、「人生で味わったことがない挫折」を感じさせられた。気持ちの切り替えができていないと本音を語ったオープン戦では、打率.154と低調。ただ、順調なら今季中に海外FA権を取得する。より良い成績を残せれば、MLB再挑戦に踏み切ることもできる。一軍での実働10年目に集大成と言える成績を残し、雪辱を果たしたい。
 
■山岡泰輔(オリックス)
 昨季は開幕2登板目で脇腹を痛めて降板。2ヵ月近くも戦線離脱を余儀なくされ、プロ入り初の規定投球回割れとなった。リハビリ中は胃腸炎により体重が8キロも落ちたため、オフは地元広島名物のもみじ饅頭を食べまくって増量。モイネロ(ソフトバンク)を参考にナックルカーブを磨き、19年のプレミア12でチームメイトだった大野雄大(中日)からも2シームを学ぶなど、レパートリーも増やした。過去2年連続で務めた開幕投手は山本由伸に譲るが、オープン戦は3先発で1失点と仕上がりは順調。ほとんどのチームが格落ちする先発3番手のポジションで、19年の最高勝率投手が勝ち星を稼げば、チームの浮上も見えてくる。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
 

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