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プロ野球

2連敗からの逆襲はあるのか?本拠地に戻る巨人が用意すべき3つの「打開策」

氏原英明

2019.10.22

 巨人打線は、2試合とも9回に反撃を見せている。クローザーの森唯斗と対戦しているのは大きい。森を引っ張り出す展開に持っていけば、後々に響いてくるはずだ。

 2連敗からのスタートを後ろ向きに見る声も大きいが、昨季のソフトバンクは連敗ではなかったとはいえ、1分1敗の未勝利で第3戦目を迎えたし、2016年の日ハムも連敗スタートから札幌に帰って3連勝を挙げて、そのまま日本一に輝いている。2017年のDeNAは3連敗スタートから連勝して、あわやの展開を作っている。

 原監督は第2戦目の試合後、「やられたらやりかえす。少し時もありますから、それをうまく活用しながら、本拠地の戦いに備えたい」。百戦錬磨の指揮官は、流石の落ち着きを見せている。

 明日、連敗を止めることができれば、第4戦は菅野智之が先発する。一気の2連勝で流れを変えたい。
 
 連勝スタートのソフトバンクは、この流れのまま決めたいはずだ。

 CSファーストステージの2戦目からこれまで8連勝とポストシーズンは勢いに乗っているが、一つ負けてもいいという気持ちはそれほど大きくないのではないか。1戦必勝の戦いを全て勝ってきたことの弊害として、救援陣はそれなりに疲労が残っている。長引かせたくないはずだ。

 打線の方は好調をキープしている。

 この2戦のトップバッターは牧原大成、川島慶三を併用したが、2番の今宮健太から下位打線まではほとんど固定のメンバーの順序を入れ替えているだけで戦っている。それほど充実しているのだ。

 やや心配なのはデスパイネが持ち味を発揮できていないことだ。3番の柳田はサウスポーを苦にしないが、第2戦のメルセデスには少しタイミングを狂わされていた。柳田が止まると、デスパイネの調子が良くないぶん、打線が分断される可能性はある。

 いずれにせよ、連敗を止めたい巨人と一気に行きたいソフトバンクという構図になる。

 第3戦からの戦いもゆったりとして見ている余裕はない。
 緊迫した力と力のぶつかり合いは、これからも続く。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。

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