▼15位：阪口樂［一塁手・岐阜第一］（前回順位：12位）
（さかぐち・うた／右投左打）
将来像：T-岡田（オリックス）
　今年の高校球界を代表する左の長距離砲。昨年夏の県独自大会の帝京大可児戦では左中間とライトスタンドへ２本のホームランを放ち、一躍その名を全国に轟かせた。秋以降はエースとしての負担が大きくなったこともあってか淡白なバッティングが続き、公式戦ではなかなか打者としての結果を残すことができていないが、その長打力は大きな魅力だ。夏は高校ナンバーワンスラッガーに相応しい活躍を期待したい。
タイプ診断：#長距離砲　#柔らかさ

▼14位：山下輝［投手・法政大］（前回順位：11位）
（やました・ひかる／左投左打／木更津総合高）
将来像：フランスア（広島）
　東京六大学を代表する大型左腕。２年時までは故障に苦しんだが、３年からリリーフの一角に定着。今年春のリーグ戦では先発を任されて２勝３敗と負け越したものの、防御率は２点台前半と安定感を増したところを見せた。190センチ近い長身から投げ下ろすストレートはコンスタントに145キロを超え、コーナーいっぱいに投げ分けるコントロールも持ち合わせている。実績は乏しいもののフォームに致命的な欠点がなくスケールも大きいだけに上位で消える可能性は高いだろう。
タイプ診断：#大型左腕　#ボールの角度◎

▼13位：森翔平［投手・三菱重工WEST］（前回順位：16位）
（もり・しょうへい／左投左打／鳥取商→関西大）
将来像：東克樹（DeNA）
　社会人のサウスポーではナンバーワンの呼び声高い投手。補強選手として出場した昨年の都市対抗では不本意な投球に終わったが、バランスの良いフォームとスピードは申し分ない。今年も４月に行われたJABA京都大会では強豪の東芝を相手に7回を無失点、７奪三振の好投を見せ、チームの優勝にも大きく貢献した。本格化したのは大学4年からで、まだまだここから伸びそうな雰囲気があるのも魅力だ。
タイプ診断：#本格派サウスポー　#バランス◎

  ▼12位：長谷川稜佑［投手・青森大］（前回順位：圏外）
（はせがわ・りょうすけ／右投右打／足立学園高）
将来像：有原航平（レンジャーズ）
　大学生投手ではこの春最も評価が急上昇した大型右腕。昨年秋と比べてボールの勢いが格段にアップし、春のリーグ戦では最速155キロをマーク。ただ速いだけでなく、安定した球筋も目を見張るものがある。イニングによって少しばらつきはあるものの、スライダー、フォークなど変化球もしっかり腕を振って投げることができるのも大きい。体格的なスケールも申し分なく、好調時のボールは今年の候補の中でも上位であることは間違いないだろう。
タイプ診断：#急上昇　#地方リーグ　#剛腕

▼11位：鈴木勇斗［投手・創価大］（前回順位：５位）
（すずき・ゆうと／左投左打／鹿屋中央高）
将来像：菊池雄星（マリナーズ）
　大学３年秋に急浮上してきた本格派サウスポー。昨年11月に行われた横浜市長杯ではコンスタントに150キロ前後のスピードをマークし、チームを決勝進出に導いた。この春は少しストレートが走らなかったものの、変化球のコントロールは確実にレベルアップ。チームは新型コロナ感染でリーグ戦を途中で辞退する不運もあったが、本来のストレートの勢いが戻れば上位指名の可能性は高い。
タイプ診断：#急上昇　#本格派サウスポー

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所（PABBlab）」でも多くの選手やデータを発信している。