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高校野球

【甲子園注目野手5人】超大物は不在でも、県岐阜商の大型捕手・高木に高校通算64発の盛岡大付・松本と好素材が集結<SLUGGER>

西尾典文

2021.08.08

 皆川は高いレベルで三拍子揃った大型外野手。懐が深く、しっかりボールを呼び込んで広角に長打を放つバッティングは高校生離れしたものがある。群馬大会でも3試合連続ホームランを放つなど、長打力も申し分ない。また投手としても140キロ台後半のスピードを誇り、センターから見せる返球の強さと守備範囲の広さでも目立つ。春はチームが県大会で早々に敗れたこともあってアピールする機会は少なかっただけに、甲子園の大舞台で結果を残せば一気に評価を上げる可能性もありそうだ。

 田村は1年夏から背番号1を背負い、投手としても注目されてきたが、現在は野手の方がプロからの評価が高い。リストの強さも目立つがそれに頼り過ぎることがなく、大きな構えからの全身を使ったフルスウィングは迫力十分。少し力んだスウィングが多く、変化球への対応には課題が残るものの、形自体は安定しており左方向にも強烈な打球を放つ。守備に関しては外野と一塁がメインとなるが、春先の練習試合では左投げながら三塁を守る器用さを見せて話題となった。
 
 冒頭でも触れたように、投手に比べると少し有力選手は少ないが、過去の大会を見ていても夏の甲子園で一気に成長するのは野手に多い印象を受ける。2017年に6本塁打を放って大会記録を塗り替えた広陵の中村奨成(現広島)のように、今年も一気にスターダムに駆け上がる選手が登場することを期待したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
 

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