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侍ジャパン

問われる稲葉監督の手腕。求めたい「したたかな」決断と「しなやかな」柔軟性【プレミア12】

氏原英明

2019.11.04

坂本を控えに回し、源田を起用できるか。(C)Getty Images

坂本を控えに回し、源田を起用できるか。(C)Getty Images

 一方の打線の方は、坂本の不調をどうカバーしていくか。彼のネームバリューが大きいだけに、そこをどう判断できるか、稲葉監督の決断力を見たい。

 守備では安定感のある源田壮亮(西武)が控えているから、坂本は三塁で松田宣浩(ソフトバンク)との併用でもいいのかもしれない。幸い、近藤健介(日本ハム)が好調で、鈴木誠也(広島)、吉田正尚(オリックス)と主軸は安定している。山田哲人(ヤクルト)、丸で1、2番を形成して果敢に攻めていくという形で序盤戦を戦い、坂本の復調を待ちたい。

 こちらは投手と同じく、大会に入ってから好不調に違いが出てくるだろう。その辺りをどう見極めていくかがカギになる。国際大会に強い印象の外崎修汰(西武)の起用法もキーになりそうだ。セカンドを選びすぎている人選にやや不安こそ残るものの、どう乗り切っていくか。
 
 昨年の日米野球は、セーフティースクイズなど勝負の采配にこだわったが、対戦相手が遊び半分だったため、ほとんど意味をなさなかった。しかし今大会は、「本当の勝負」として位置付けられる。つまり、稲葉篤紀監督の采配も是非が問われるというわけだ。
 
 決めるところは決めて、柔軟な対応力が指揮官には求められるだろう。
 
「したたかに。そして、しなやかに」がテーマになりそうだ。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』
 

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