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大学野球

6年のブランクを経て野球再挑戦した清原ジュニアの実力は?現実は厳しいが、期待せずにいられない理由

西尾典文

2021.11.27

 内部進学した3人も高校時代から評判のある選手たちで、東京大を除く5大学では高校時代に全く無名で一般入試から入部してきた選手のレギュラー奪取、それも中高で野球から離れていた選手となると皆無というのが実情である。

 そうしたなかで、清原は秋のリーグ戦終了後に行なわれた1、2年生を対象としたフレッシュトーナメントで3試合連続スタメン出場。そのうち2試合で4番も務めたが、結果は9打数1安打と目立った活躍を見せることはできていない。

 筆者は11月4日に行なわれた明治大との試合で実際のそのプレーを見たが、恵まれた体格こそ目を引いたものの、スイングの形は安定しておらず、東京六大学野球で活躍するためには相当なレベルアップが必要だという印象を受けた。11月25日に閉幕した明治神宮大会で4年生は引退。チームは新体制となるが、来年春もリーグ戦のメンバー入りする可能性は極めて低いというのが現状だろう。
 
 しかしそんな清原にとって追い風となる要因もたしかに存在している。同学年で高校時代に慶応大進学を希望していた有力選手は高橋宏斗(中京大中京→中日)を筆頭に軒並み不合格となり、高校時代に目立った実績のある選手は不在となっているのだ。フレッシュトーナメントとはいえ、経験値の浅い清原がクリーンアップを任された背景にはこのようなチーム事情が関係しているとも考えられる。苦しい状況ではあるが、清原自身にとっては大きなチャンスであることは間違いない。

 繰り返すがレギュラー獲得への道は険しい。だが、清原の野球人生はまだまだスタートしたばかりである。来年以降、周囲を驚かせるような成長を見せて、リーグ戦、そして早慶戦の大観衆の前で打席に立つ姿を見せてくれることを期待したい。

取材・文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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