第4戦は石川雅規が魅せた。1か月前にこの地で1回もたずノックアウトされた石川はどこにもいなかった。2敗を喫した6年前の日本シリーズの忘れ物を見事に回収するかっこ良さ。単独でのヒーローインタビューではにかみながら発した「日本シリーズに来るまでも長かったですし、ここでまた勝つことができたのは、自分自身に『良かったね』って言ってあげたい」の言葉は、1996年アトランタ五輪の有森裕子を彷彿させた。
王手をかけて臨んだ第5戦の山田哲人の一発にスタンドは揺れ、ジョーンズの勝ち越し弾でスワローズファンのため息が共鳴した。「あと一つ」が果てしなく遠い。第5戦に敗れても3勝2敗と勝ち越しているのに余裕がなくなっていく。一気に決められなかったシーズン終盤の苦しみを思い出す。「絶対大丈夫」が「本当に大丈夫? 」に変わりそうだった。
◎ほっともっとフィールド神戸での歓喜
最終決戦の地・ほっともっとフィールド神戸は極寒だった。気温は1ケタ。カイロは必須。SNSではさまざま々な注意喚起が飛び交っていた。これを見越して、というわけではないだろうが、ヤクルトはここ2年でパイロットハット、スヌード、ボアパーカーを無料配布してきた。ヤクルトありがとう。その3点セットを着こんで寒さをしのぎ、時折白い息を吐きながら観戦していた。
1対1で迎えた9回裏、1点取られたらサヨナラ負けで日本一は翌日以降に持ち越しになる。緊迫した状況下で、マウンドの清水昇はモヤを四球で歩かせた。嫌な雰囲気が立ち込める。オリックスファンは湧く。それを振り払ったのが山田哲人キャプテンだった。清水に歩み寄るのではなく、小走りで駆け寄り何かをアドバイス。そこから清水は立ち直った。
このシリーズで、山田は第5戦の同点本塁打以外にバットでは結果を出すことができていなかった。それでも、グラウンド上ではキャプテンとして振る舞い、スワローズファンを含めたみんなに安心感を与えていた。「いいキャプテンだなぁ」。小さい声が出る。
王手をかけて臨んだ第5戦の山田哲人の一発にスタンドは揺れ、ジョーンズの勝ち越し弾でスワローズファンのため息が共鳴した。「あと一つ」が果てしなく遠い。第5戦に敗れても3勝2敗と勝ち越しているのに余裕がなくなっていく。一気に決められなかったシーズン終盤の苦しみを思い出す。「絶対大丈夫」が「本当に大丈夫? 」に変わりそうだった。
◎ほっともっとフィールド神戸での歓喜
最終決戦の地・ほっともっとフィールド神戸は極寒だった。気温は1ケタ。カイロは必須。SNSではさまざま々な注意喚起が飛び交っていた。これを見越して、というわけではないだろうが、ヤクルトはここ2年でパイロットハット、スヌード、ボアパーカーを無料配布してきた。ヤクルトありがとう。その3点セットを着こんで寒さをしのぎ、時折白い息を吐きながら観戦していた。
1対1で迎えた9回裏、1点取られたらサヨナラ負けで日本一は翌日以降に持ち越しになる。緊迫した状況下で、マウンドの清水昇はモヤを四球で歩かせた。嫌な雰囲気が立ち込める。オリックスファンは湧く。それを振り払ったのが山田哲人キャプテンだった。清水に歩み寄るのではなく、小走りで駆け寄り何かをアドバイス。そこから清水は立ち直った。
このシリーズで、山田は第5戦の同点本塁打以外にバットでは結果を出すことができていなかった。それでも、グラウンド上ではキャプテンとして振る舞い、スワローズファンを含めたみんなに安心感を与えていた。「いいキャプテンだなぁ」。小さい声が出る。
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