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MLB

ボンズ、クレメンスにも光!? 「ゴールドグラブ16度」のカットと「50%ジンクス」のホッジズが殿堂入りした意義<SLUGGER>

豊浦彰太郞

2021.12.14

 ホッジズの場合は、カットとは逆だ。50年代前後のブルックリン・ドジャース(現ロサンゼルス・ドジャース)、“The Boys of Summer”(夏の若者たち)の一員として、49年から7年連続100打点以上を記録。ジャッキー・ロビンソンやデューク・スナイダーらとともに、同球団の黄金時代を支え、監督として69年のメッツを初の世界一に導く(“ミラクル・メッツ”)など、華々しいキャリアを持つ。

 だが、選手としてはピーク時の活躍こそ目覚ましいが、メジャー昇格直後に兵役に就いた影響もあり、通算成績は1921安打、370本塁打だった。72年のスプリング・トレーニング期間中、心臓発作により47歳の若さで死去したため、監督業も9シーズン務めただけ。このため、選手としても監督としても殿堂入りの水準には届かなかったのである。

 だが、殿堂にはホッジズとともに語られてきた「50%ジンクス」とも言うべき傾向がある。それは、BBWAA投票で50%を一度でも超えた者は、時代委員会経由も含めて、最終的には殿堂入りを果たせるというものだ。

 これまでにその例外はホッジズのみだったのも、そのジンクスを裏付けていた。しかもホッジズは、BBWAAでは11度も50%以上を獲得(当時の投票有資格者期間は15年だった)。通算で3000票以上も得ており、これは殿堂入りしていない選手の票数としては最多だった。
 
 そのホッジズが今回ついに選出されたことにより、「50%ジンクス」は画竜点睛となった。一層強化されたジンクスに基づくならば、昨年の投票で得票率50%以上だったバリー・ボンズやロジャー・クレメンスにも希望が持てることになる。

 ボンズもクレメンスもステロイド疑惑により、現役時代の実績に比して得票率が伸びておらず、次回の投票でBBWAAの選考は最後になる。だが、もしこれでに殿堂入りできなくても、ホッジズのように将来的には再評価されるかもしれない。

文●豊浦彰太郎

【著者プロフィール】
北米61球場を訪れ、北京、台湾、シドニー、メキシコ、ロンドンでもメジャーを観戦。ただし、会社勤めの悲しさで球宴とポストシーズンは未経験。好きな街はデトロイト、球場はドジャー・スタジアム、選手はレジー・ジャクソン。
 

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