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プロ野球

「投手四冠」達成の山本由伸はQS率や被打率でも1位を総なめ!【表彰されざる男たち:パ・リーグ投手編】<SLUGGER>

藤原彬

2021.12.18

■K/BB(三振÷四球)
【先発】
1.山本由伸(オリックス) 5.15
2.加藤貴之(日本ハム) 4.86
3.田中将大(楽天) 4.34
【救援】
1.益田直也(ロッテ) 4.53
2.杉浦稔大(日本ハム) 2.88
3.平良海馬(西武) 2.50

 奪三振率ベストの山本と、与四球率1、2位の加藤と田中が先発3傑入り。山本は先発転向後から毎年数字を向上させて、昨季の2位からついにトップへ躍り出た。田中はこの数値でも日本での通算を下回るのだから、逆に恐ろしい。益田は自己ベストで、68奪三振もキャリアハイ。一方、今井達也(西武)はリーグダントツの99与四球が響き、K/BBも同ワーストの1.38と低迷した。

■QS率(QS÷先発)
1.山本由伸(オリックス) 88.5%
2.上沢直之(日本ハム) 87.5%
3.田中将大(楽天) 73.9%
3.伊藤大海(日本ハム) 73.9%

 先発6イニング以上&自責点3で記録されるQSで、山本はリーグ最多の23回をマーク。7イニング&自責点2以下のHQS率76.9%はダントツだった。上沢はリーグ2位のQS21回で、昨季から20%以上もアップ。伊藤、田中と髙橋光成(西武)はQS数が同じ17回。伊藤と高橋は2ケタ勝利を挙げただけに、4勝の田中は不運が際立つ。
 
■被OPS(出塁率+長打率)
【先発】
1.山本由伸(オリックス) .472
2.マルティネス(ソフトバンク) .558
3.上沢直之(日本ハム) .578
【救援】
1.平良海馬(西武) .504
2.佐々木千隼(ロッテ) .516
3.益田直也(ロッテ) .524

 3年連続で先発1位の山本は年々数字を改善させて、被出塁率.229/被長打率.243ともにリーグベスト。両方の数値を2割台に抑えた先発は、他にマルティネス(.276/.282)だけだ。2年連続救援1位の平良はホームランを一本も浴びず、被長打率.215がリーグベスト。佐々木と益田は被出塁率.243(2位)/.236(1位)が特に優秀だった。ちなみに、先発ワーストは二木康太(ロッテ)の.792。

■被打率
【先発】
1.山本由伸(オリックス)  .182
2.上沢直之(日本ハム) .208
3.今井達也(西武) .220
【救援】
1.平良海馬(西武) .176
2.杉浦稔大(日本ハム) .177
3.佐々木千隼(ロッテ) .182

 こちらも山本が初の1位に立った。ちなみに、最も多くのヒットを許したのは源田壮亮(西武)で10本(26打数)。コントロールには課題を残す今井だが、支配力はリーグ指折りと証明できた。美馬学(ロッテ)は被打率.303とともに防御率4.92も先発リーグワースト。平良は昨季の.129から5分近く数字を落としても救援1位を死守し、得点圏被打率.055で大きな壁になった。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
 

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