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プロ野球

暴力事件を起こした大砲に20年最多勝右腕、快足自慢の韋駄天も【パ6球団の“逆MVP”】<SLUGGER>

出野哲也

2021.12.16

20年は日本一に貢献し、侍ジャパンに選ばれるなど大活躍した周東だが、今季は一転して苦しんだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

20年は日本一に貢献し、侍ジャパンに選ばれるなど大活躍した周東だが、今季は一転して苦しんだ。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 12月15日にMVPが発表され、セ・リーグは村上宗隆(ヤクルト)、パ・リーグは山本由伸(オリックス)が受賞した。では、不振や故障などでファンやチームの期待を最も裏切った“逆MVP”を選ぶとしたら一体誰になるだろうか。パ・リーグ6球団から一人ずつピックアップした。

▼オリックス:ロメロ
 昨年は楽天でOPS.893と打ちまくり、2年ぶりにオリックスへ戻ってきたものの、コロナ禍での入国制限により来日したのは開幕後。一軍初出場は5月下旬だった。そうしたこともあってかなかなか調子が上がらず、20試合に出場した時点で打率1割台と精彩を欠いていた。

 その分、後半戦での反撃が待ち望まれていたが、家族が来日できずモチベーションが上がらないとして、8月に退団を申し入れ了承された。通常のスケジュールで来日し、例年通りの調整ができていたなら、吉田正尚、杉本裕太郎の後ろの5番として活躍し、チームももっと楽な戦いになっていたと思われる。

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▼ロッテ:二木康太
 種市篤暉がシーズン全休、大器の佐々木郎希もどれだけ投げられるか不明だった開幕時点で、エース級の活躍が期待されていたのがこの二木だった。オープン戦は15回を無失点と絶好調で、初の開幕投手を託されると、最初の6先発は防御率2.68と上々の滑り出しだった。

 ところが、以後は閉幕までは5.18。開幕戦で3本浴びた本塁打は、年間では24本に上り自己&リーグワーストだった。相性が良かったはずのソフトバンク戦でも振るわず、優勝を懸けた戦いが続いた10月の登板も2試合とも打ち込まれた。完全に信頼を失った結果、ポストシーズンはロースター入りすら叶わなかった。

▼楽天:涌井秀章
 田中将大・岸孝之・則本昂大、そして涌井。昨季まで合計で通算538勝の強力先発4本柱で打倒ソフトバンク&優勝を掲げた楽天の目論見はもろくも崩れた(ソフトバンクは上回ったけれども)。他の3人は規定投球回に達して防御率も3点台だったが、「自分がしっかり仕事をしていれば優勝できた」と振り返った涌井だけは、その言葉通り蚊帳の外だった。

 3球団での最多勝という快挙を成し遂げた20年から一転、6月4日に挙げた6勝目、通算150勝がシーズン最後の白星。防御率はルーキーシーズンを除けば自己最悪とあって、後半戦はほとんど二軍暮らしだった。
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