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プロ野球

「父超えを目指して」逆輸入スラッガー・大塚虎之介が茨城アストロプラネッツに入団。独立リーグから始まる新たなドラマ

THE DIGEST編集部

2022.02.02

新入団選手発表イベントには、20名の選手たちが集結した。写真:岩国誠

新入団選手発表イベントには、20名の選手たちが集結した。写真:岩国誠

 他の独立球団からの話もあったというが、虎之介は自分の感じた直感に従って、茨城でプレーすることを決めた。

「父には『すごく考えろ』とは言われました。『どこに住むのか』とか、給料面も大切なことなので、『暮らしていけるのか』とか、そういう心配はしてくれました。でも、僕にとっては自分の意思がすごく大事で、自分の気持ちに正直でいようと思っているので、自分に合った環境だと思いましたし、球団もたくさんサポートをしてくれる。ここが自分にとっては一番、NPB入りのチャンスがあると思ったので、茨城に決めました」

「自分がいいと信じられるなら、いいんじゃないか」。勝負の世界で結果を残してきた父も、新たな一歩を踏み出す息子の決断を、静かに見守ることにした。

 自ら決めた道でのNPB入りへ。爆発的なパワーが武器だと自負するように、近くでその体つきを見ると、ユニフォームの上からでもわかるほど、がっしりとした体格なのが窺い知れる。しかし大学時代には、俊足を活かした起用もあって、あまりホームランを打つタイプではなかった。
 
「ボールへのアプローチが、全部シングルやダブル(二塁打)を打つ形だったので、そんなに打てるチャンスはなかったんです。意識していたのは『打球速度』。打球速度が上がれば、野手の間を抜け、ヒットになる確率も上がると思って、ずっとやっていました。ただ、今は長打力も高めたいので、松坂監督やチームの方のサポートをもらいながら、ホームランを打てる選手になれるよう、頑張っています」

 6歳からアメリカにいた虎之介には、MLB選手たちプレーの方が馴染みが深い。にも関わらず、目標とする選手として名を挙げたのは、日本で存在感を示しているあのスラッガーだった。

「僕は4年くらい前から、吉田正尚さんをずっと見てきました。打撃スキルの高さとスイングの力強さ。身長はあまり高くないですが力強い。吉田選手みたいになりたいです。アメリカにも小さいのに長打を打てる選手はいるんですが、そういう選手はホームラン数を増やすけれども、アベレージ(打率)は下げていく選手が多いです。でも、吉田さんはアベレージも高いし、ホームランも打っているので、僕もそういう選手になりたい。長打だけの選手にはなりたくないですね」
 

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