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高校野球

清原和博が唸った中田翔、済美を牽引したプルヒッターなど歴史に残る強打者たち【本当に長打力があった高校生5選】

西尾典文

2022.03.24

現在開催中のセンバツでも大きな注目を集めた佐々木麟太郎。彼もまた将来が楽しみなスラッガーのひとりだ。写真:滝川敏之

現在開催中のセンバツでも大きな注目を集めた佐々木麟太郎。彼もまた将来が楽しみなスラッガーのひとりだ。写真:滝川敏之

2位:中田翔(大阪桐蔭)

 不滅と言われる甲子園通算13本塁打の記録を持つ清原和博(PL学園・元西武など)が、「初めて自分より凄い高校生が出てきた」と語ったのが中田だ。1年夏の春日部共栄戦で放ったホームランは、2学年先輩の平田にも全く引けをとらない当たりだった。2年夏にはバックスクリーン左への特大弾、3年春には2打席連続ホームランと、その後も大舞台で力を発揮した。

 残念ながら現地で見られなかったが、3年の春には、推定飛距離170メートルという特大の一発も放っている。そんな中田の何よりも凄いところは、投手としても活躍しながらこれだけホームランを量産したという点だ。もし、早くから野手に専念していたら、さらに凄まじい記録を打ち立てていた可能性も高かったと言えるだろう。

1位:清宮幸太郎(早稲田実)

 最後まで中田と悩んだが、やはり高校生のホームランバッターとなると清宮を外さないわけにはいかないだろう。1年夏の時点での衝撃は中田ほどではなく、正直に言えば、話題先行という印象だった。だが、その凄さを感じさせられたのは最終学年になってからだ。

 3年春の選抜では一発こそ出なかったものの、その後の試合では、筆者が目にした3試合全てでホームランをマーク。そのどれもが見事な当たりだったと記憶している。とくに3年春の決勝となった対日大三戦でのセンター左への一発と、夏の西東京大会準決勝の八王子戦で放った左中間への一発は、引っ張るだけではない幅の広さを感じさせた一打だった。

 父・克幸さんがラグビーの名監督で、自身も小学生時代から活躍するなど注目を浴びてきた期間の長さは普通の高校球児とは比べものにならない。だが、そのなかで最後までホームランのペースを落とさなかったのは見事という他ない。プロ入り後は、くすぶっている状況が続いているが、新庄剛志監督が就任した今年こそ才能は開花するか。

 今回選出した5人のほかには、岡田貴弘(履正社)、堂上直倫(愛工大名電)、筒香嘉智(横浜)、岡本和真(智弁学園)、安田尚憲(履正社)、村上宗隆(九州学院)、野村佑希(花咲徳栄)、石川昂弥(東邦)も印象深い。

 また、現役選手では今年2年生になる世代に佐々木麟太郎(花巻東)、真鍋慧(広陵)、佐倉侠史朗(九州国際大付)というスラッガーが控えているのも楽しみだ。以前よりも長打の重要性が高まっているだけに、清宮、中田を超えるような選手が続々と登場することを期待したい。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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