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高校野球

鳴門のエース富田遼弥が“V候補”大阪桐蔭を3点に抑える好投!徹底したインコース攻めに自己評価は「90点」

氏原英明

2022.03.24

 敗因はさまざま挙げられるが、8回の失策がそうだったように、投手の富田を援護できなかったところは否めない。森脇監督も「守備の部分で課題が出ました」と試合を振り返っている。ただ、その点は実戦不足を考慮しなければいけない。

 この日は8回以外にも三塁手の暴投など、守備がバタついている印象もあった。打線も富田が粘りのピッチングを見せても反撃に転化できないところは試合勘の鈍さを感じずにはいられなかった。

 森脇監督は言う。

「本来だったら、『よくやったな』というような試合でしたけど、もう少し実戦ができたらもっといい形ができたかなっていうのはあります。今日みたいに打てない試合はありますから、そこでエラーをしないのは大事になってきます。その辺りは課題です」

 好ゲームだった、もう少し踏ん張れればなんとかできたかも知れない試合だった。それだけに、チームとしては悔しすぎる敗戦だったと言えるだろう。

 一方、そんな中でもエースの富田にとっては貴重な経験になったはずだ。

「90点」と胸を張っていたコメントにも掴んだ自信が垣間見えるし、今後に向けても楽しみな材料となっただろう。
 
 富田は言う。

「全国の優勝候補である大阪桐蔭を相手に3点に抑えられたのは自信になりました。あとは味方のエラーをカバーしたり、追い込んでから打たれたことはまだ詰めが甘いと思う。そういうところでしっかり三振の取れるピッチャーになっていきたいと思います」

 富田は目標とする投手に高校の先輩である河野竜生(日本ハム)を挙げている。同じサウスポーで公立校から社会人を経てプロに行った姿に自身を重ねているところもあるのだろう。

「(自分は)大学に進むつもりではいますけど、そこでレベルアップができれば。いずれはプロを目指していきたい」

 鳴門からは河野やそれより上に当たる板東優悟(ソフトバンク)など好投手がプロへと巣立つようになってきている。富田は先輩に続けるか。実戦経験不足の中で見せた快投劇を活かしたい。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

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