3月19日に開幕した選抜高校野球大会。プロのスカウトも注目する選手も多いなかで、見事な活躍を見せた投手、野手を毎日その日のMVPとして選出する。大会第5日目は以下の選手となった。
■投手MVP
米田天翼(市和歌山3年):9回、被安打9、4失点(自責点4)、7奪三振、4四死球
花巻東の強力打線を相手に真っ向勝負を挑み、見事に力で封じ込めて見せた。立ち上がりと9回こそ苦しんだものの、中盤は完全に自分のペースで投げられており、修正能力の高さは見事だった。
とくに見応えがあったのが佐々木麟太郎、田代旭のプロも注目する強打者との対決だ。タイミングをとる動きが大きく、少しバットが下から出る2人に対して徹底して内角、高めを速いストレートで突き、それぞれ2三振を奪って見せた。最速145キロをマークしたストレートは打者の手元での勢いも申し分なく、厳しいコースに投げ込むコントロールも備えているところを見せた。
左右の揺さぶりだけでなく、高低と緩急を操ることができるのも持ち味。同校先輩である小園健太(DeNA1位)が成し遂げることができなかった2回戦突破に向けて、次の明秀日立戦でのピッチングにもぜひ注目してもらいたい。
■野手MVP
寺田椋太郎(市和歌山3年・4番・右翼手):4打席4打数3安打1打点
1点を追う2回には同点の口火となるスリーベース、3回には追加点となるタイムリー、6回にも貴重な追加点の足掛かりとなるツーベースとあわやサイクルヒットの大活躍で4番としての役割を見事に果たした。
173センチと上背がそれほどあるわけではないが、がっちりしたいたくましい体格で構えに力感があり、ヘッドが下がらないシャープなスイングも光る。今大会は外野手が守備で苦しむ場面が多いが、ライトの守りでも堅実なプレーを見せた。
長打力のある打者が少ないチームにあって、その打力は極めて貴重な存在である。昨年チームが敗れた2回戦を突破するためにも、エースの米田とともにキーマンとなることは間違いないだろう。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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■投手MVP
米田天翼(市和歌山3年):9回、被安打9、4失点(自責点4)、7奪三振、4四死球
花巻東の強力打線を相手に真っ向勝負を挑み、見事に力で封じ込めて見せた。立ち上がりと9回こそ苦しんだものの、中盤は完全に自分のペースで投げられており、修正能力の高さは見事だった。
とくに見応えがあったのが佐々木麟太郎、田代旭のプロも注目する強打者との対決だ。タイミングをとる動きが大きく、少しバットが下から出る2人に対して徹底して内角、高めを速いストレートで突き、それぞれ2三振を奪って見せた。最速145キロをマークしたストレートは打者の手元での勢いも申し分なく、厳しいコースに投げ込むコントロールも備えているところを見せた。
左右の揺さぶりだけでなく、高低と緩急を操ることができるのも持ち味。同校先輩である小園健太(DeNA1位)が成し遂げることができなかった2回戦突破に向けて、次の明秀日立戦でのピッチングにもぜひ注目してもらいたい。
■野手MVP
寺田椋太郎(市和歌山3年・4番・右翼手):4打席4打数3安打1打点
1点を追う2回には同点の口火となるスリーベース、3回には追加点となるタイムリー、6回にも貴重な追加点の足掛かりとなるツーベースとあわやサイクルヒットの大活躍で4番としての役割を見事に果たした。
173センチと上背がそれほどあるわけではないが、がっちりしたいたくましい体格で構えに力感があり、ヘッドが下がらないシャープなスイングも光る。今大会は外野手が守備で苦しむ場面が多いが、ライトの守りでも堅実なプレーを見せた。
長打力のある打者が少ないチームにあって、その打力は極めて貴重な存在である。昨年チームが敗れた2回戦を突破するためにも、エースの米田とともにキーマンとなることは間違いないだろう。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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