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「スズキはメジャー全体でも上位に入る強打者だ」カブスの事前分析を遥かに超える適応力を見せた鈴木誠也の開幕1か月【現地発】<SLUGGER>

ゴードン・ウィッテンマイヤー

2022.04.30

 指導やデータ分析に関して、鈴木にあえて余計なことは言わないデビッド・ロス監督のアプローチは意図的なものだ。それだけに、鈴木のこれまでの適応と活躍は余計に目覚ましい。

「余計なことをしなくても成功できるなら、そのままのルーティンを保つべきだ」とロス監督は言う。「アメリカに来てこれほどリラックスして自分の能力を信頼してプレーできるなんて、私も学びたいところだね」

 ロス監督は、大雑把ではあるがマイナーからメジャーへの適応と比較した。マイナーリーガーもメジャーに上がってデータへアクセスする機会を得て、その膨大な量に圧倒される。

「データの使い方には注意が必要だ」と語るロス監督は、「彼が自分自身をしっかり持って、リラックスしながら成功を収めていることをうれしく思うね」と続けた。

 鈴木はチームに合流した瞬間からクラブハウスでもリラックスしているようで、チームメイトを魅了している。同じ外野手のイアン・ハップは鈴木について「ひょうきんな奴」と語っている。
 これまでクリス・ブライアントやハビア・バイエズといったスター選手とプレーしてきた捕手のウィルソン・コントレラスは、あるシカゴの記者に鈴木は「これまで一緒にプレーした中で最高の選手だ」と語った。

 コントレラスはさらにこう付け加えた。「彼の打席での辛抱強さは異常なレベルだ。フィールド上での立ち振る舞いも素晴らしい。フィールドの外でもね」

 スプリング・トレーニング序盤でレッグキックを小さくするなど、いくつかの小さな適応はあった。2ストライクに追い込まれた時や、手強い投手と対戦する時は足の踏み出しを小さくしたりもした。

 ロス監督は、「トーイ(松下登威通訳)を通じて、外野陣の仲間とも本当にうまくコミュニケーションを取っている。可能な限り最高な形でチームに溶け込んでいるし、投手への適応もとてもうまくやっているね」と言う。
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