専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

鈴木誠也と大谷翔平――日本が誇る強打者の“渡米前2年間”を徹底比較! データから「共通点」「相違点」を解き明かす<SLUGGER>

大南淳【DELTA】

2022.04.07

日本球界でも飛び抜けた存在感を放っていた鈴木(左)と大谷(右)。写真:THE DIGEST写真部

日本球界でも飛び抜けた存在感を放っていた鈴木(左)と大谷(右)。写真:THE DIGEST写真部

 2021年、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)はMLBの歴史に名を刻んだ。そして今年、新たに日本球界のスーパースターが海を渡ろうとしている。鈴木誠也(シカゴ・カブス)である。16年から広島の3連覇に大きく貢献し、東京五輪でも4番を務めた日本球界最強打者だ。

 奇しくも、鈴木と大谷は27歳の同い年。DELTAの協力のもと、日本最後の2年間を徹底比較。大谷と鈴木の「共通点」と「相違点」を解き明かしていく。

【PHOTO】“歴史的なシーズン”をホームランで締め括る!二刀流で大躍進を遂げた大谷翔平の2021年を厳選!

※データ提供:DELTAGRAPHS
プロ野球のデータ収集、セイバーメトリクスを用いた分析を行う組織。客観的、統計的な視点から野球に関するさまざまな考察を発表している。アナリストによる分析論考集『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート5』が4月6日に発売。

―――◆―――◆―――◆―――

■打撃1:両者とも総合的な打力は高いレベルで拮抗

 今回は大谷、鈴木ともに渡米直前2シーズンのデータで比較する。これは大谷が22~23歳、鈴木が26~27歳にあたるシーズンだ。この期間は鈴木の完成度が十分高まった時点であるのに対し、大谷はまだ発展途上の段階にあたる。その意味では、鈴木が勝るのは当然だ。今回は優劣をつけるためではなく、鈴木のメジャーでの活躍を占う参考として成績を見ていく。

 はじめに両者の打撃総合力について比較しよう(画像)。打率・出塁率・長打率で見ると、2人が日本球界で圧倒的な成績を残し、渡米していると分かる。渡米直前2シーズンにおいて、2選手はともに打率3割、出塁率4割をクリアし、長打率は6割近くに到達。鈴木に至っては昨季、3部門ともリーグ1位の成績を残した。

 リーグ平均の野手を100とした時の打撃傑出度を表すwRC+で見ると、大谷が173で鈴木が175と、ともに平均的な野手の1.7倍以上の攻撃力を発揮。総合的な打力についてはそれほど差はなかったようだ。鈴木は大谷と同等の攻撃力を有する打者として、MLBに挑むことになる。
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号