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プロ野球

開幕1か月の「ブレイク投手」は? 新人クローザーの大勢&北山は今後も期待大。一方で赤星は成績悪化の可能性も?<SLUGGER>

DELTA

2022.05.05

 赤星は実際の失点率が3.72であるのに対してFIPは4.96と、悪い方に乖離が見られた。特に苦しいのが奪三振能力の低さだ。対戦打者に対して三振を奪う割合を表すK%は14.9%。これはリーグ平均の18.9%を大きく下回っていて、簡単に言えば赤星の投球は運や野手の守備に頼ることが多くなっていた。

 そして5月3日の広島戦では、味方のエラー絡みとはいえ3.1回11安打12失点(3自責点)の大炎上。そのすべてが赤星に原因があったわけではないが、球威不足から空振りを奪えず、インプレーにさせてしまったことがKO劇につながったと言えるだろう。
 
●北山亘基(日本ハム)
登板10(12.0回) 3勝1敗1S1H 防御率2.25 奪三振9.00 与四球率6.75

 新人ながら“ビッグボス”新庄剛志監督から開幕投手を任されて話題を呼んだ北山亘基はどうだろうか。ここまでは抑えを中心に12イニングを投げて防御率・失点率は2.25。チーム状況からセーブ数こそ1つにとどまっているが、十分な成果を残しているように見える。

 ただ、北山についてもFIPと失点率にはやや乖離があるようだ。ここまでは失点率2.25に対してFIPは3.17。さきほどの赤星ほど差は大きくないが、やや運に恵まれているという評価が妥当だ。

 北山の問題は与四球の多さである。対戦打者に対する与四球の割合はパ・リーグ平均が8.2%であるのに対し、北山は16.4%。平均的な投手の倍のペースで四球を与えているのだ。こうした投球内容を考えると、もう少し失点していてもおかしくはないというのがFIPの下した評価だ。

 一方で、さきほど赤星の課題として挙げたK%については21.8%と十分な値を記録。与四球の多さを改善できれば現在の成績を維持することも十分可能だ。

※データはすべて4月終了時点

文●DELTA(@Deltagraphs/https://deltagraphs.co.jp/)

【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート5』(水曜社刊)が4月6日に発売。
 
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