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プロ野球

ラプソードがもたらす“変革”と“進化”。ダルビッシュの名言にも通じる「正しい練習」の重要性<SLUGGER>

新井裕貴(SLUGGER編集部)

2022.05.26

「HITTING2.0」を使用すれば、即座に打球速度や打球角度などが表示される。これにより自身のスウィングの“方向性”を確かめることができるのだ。提供:ラプソード社

「HITTING2.0」を使用すれば、即座に打球速度や打球角度などが表示される。これにより自身のスウィングの“方向性”を確かめることができるのだ。提供:ラプソード社

「正しい方向への練習」とは何か。簡単に言えば、自分が目指す姿、目標とする到達点と直結する練習だ。 
 
 最近、「バレル」という言葉をよく耳にするようになった。これは簡単に言うと「長打になる可能性が最も高い打球」のことで、具体的には打球速度と打球角度の組み合わせから導き出される。打球速度99マイル(約158.7キロ)なら26~30度、100マイル(約161.9キロ)なら24.7~31.7度という具合だ。

 すでに言及したように、ラプソードを使えば打球速度や打球角度などを瞬時に測定できるので、現在の自分のスウィングが「バレル」に適したものなのかを即座に確認できる。一方で、例えば打球速度が遅い→筋量不足→ウェイト・トレーニング量を増やす、というように練習プログラムを組むこともできる。“効率的”にゴールへと向かうナビゲーションとしての機能を果たしてくれるというわけだ。

 また、花城さんは『ラプソード』を使った練習の効果の一つに「自分の特徴を知ること」を挙げる。
 
 本塁打や長打になる最適な打球角度は25~35度前後とされる一方、12~15度はライナー性のヒットが出やすいことがデータ上明らかになっている。スラッガーになりたいと思っていた選手が、自分の打球性質を知って安打製造機を目指すこともできる。

 自分の特徴、長所を踏まえた上で「目指すべき姿」を定める助けにもなるのだ。アメリカで生まれた機器ということで「ラプソード=スラッガーになるための道具」というイメージもあるが、決してそうではない。

 さらに、花城さんはラプソードの意外な活用法も教えてくれた。「故障の予防」だ。

 日々、ラプソードを使用して打球や投球を計測すると、膨大なデータが蓄積されていく。数値の推移が一目で分かるということは、同時に異変を察知できることも意味する。ある時を境に急に数値が下がるようなことがあれば、身体の異変=怪我の可能性を疑うこともできる。はっきりした自覚症状が出る前に、大きな故障を予防する効果もあるのだ。
 
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