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プロ野球

バースデーアーチをふいにしたモレル、衣笠は連続試合出場タイ記録が「あと1イニング」でお預けに――プロ野球「雨に消された記録」たち<SLUGGER>

筒居一孝(SLUGGER編集部)

2022.06.15

▼達成寸前でお預けになった金字塔

 タイトルだけでなく、雨のせいで大記録を流された選手もいる。

 80年7月29日。“鉄人”衣笠祥雄(広島)はこの日、日本記録の1246試合連続出場まであと1試合として、広島市民球場でのヤクルト戦に3番・三塁でスタメン出場した。雨が降りしきる中、試合は進み、試合成立の条件となる5回まで来た。

 2点を追う広島は衣笠の安打をきっかけに1点をもぎ取り、さらに無死一、三塁。あと2点取れば試合成立と言う状況で、雨の勢いが増して無情のノーゲームとなってしまった。「あそこまで行ったらやりたかった」と衣笠はぼやいたが、2日後の29日には無事タイ記録を達成。さらに8月2日には、念願の1247試合連続出場の新記録を樹立した。
 
 衣笠の場合は「あと1回」だったが、「あと1球」で金字塔をお預けにされた選手もいる。130キロ台の遅い“速球”とスローカーブのコンビネーションで打者を打ち取った“星の王子様”こと星野伸之だ。

 01年7月15日、当時阪神に在籍していた星野は史上17人目の通算2000奪三振まであと「3」として、中日戦の先発マウンドに上がった。自慢の“超遅球”で3回までに2三振を奪ってリーチをかけた星野は、同じ回に大西崇之を2ストライクに追い込んだ。だがこの瞬間、折からの雨が強くなり、マイルストーン目前で降雨ノーゲーム。

 ただ、星野自身は「達成して中止になるよりは良かったんじゃないかな」とサバサバしたもので、8月1日にアレックス・ラミレス(ヤクルト)から三振を奪って無事快挙を達成した。

文●筒居一孝(SLUGGER編集部)

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