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プロ野球

【データで見る「後半戦要注目選手】セ・リーグ編】虎ケラーの投球はサファテ級! 中日・京田の不振の原因は“不運”?<SLUGGER>

DELTA

2022.07.29

  被安打の発生は野手の守備や運など、投手にはコントロールできない部分が大きく作用する。一方、三振と四球にはそうしたノイズがほとんど入らず、投手の実力がそのまま反映されやすい。果たして、ケラーのK%(奪三振/対戦打者)は46.9%、BB%(与四球/対戦打者)は4.1%。NPB平均はそれぞれ20%弱、10%前後で、平均的な投手の倍以上のペースで三振を奪い、半分以下に四球を抑えていることになる。

 そして実はこの数字、デニス・サファテ(ソフトバンク)がMVPに輝いた2017年の成績に酷似しているのだ。

 この年、サファテは、K%が42.9%、BB%が4.2%と圧倒的な数値を記録し、防御率は1.02とまさに難攻不落の存在だった。ケラーが今後も現状のペースを維持できれば、CS出場へ向けて大きな追い風となるだろう。
 
●京田陽太(中日)
140打席 打率.176 3本塁打 8打点 OPS.558

 打者では中日の京田陽太に注目したい。プロ1年目からドラゴンズの正遊撃手を務めてきた京田だが、今季は攻守に精彩を欠き、5月5日に二軍降格。6月18日に昇格し、いきなり2試合連続マルチ安打を記録したが、その後は再び低空飛行が続き、7月11日再度二軍へ落された。

 だが、京田の打撃に例年から特別な変化が起こっているわけではない。三振や空振りの割合も例年と同じ。にもかかわらず成績を落としているのは、インプレー打球の結果による部分が大きい。インプレー打球がどれだけ安打になったかを表す「BABIP(Batting Average on Balls In Play)」という指標がある。この指標はリーグ平均値が.300程度となるが、京田の前半戦の値は.188でリーグ平均を大きく下回っている。

 だが、BABIPは極端に高い・低い打者は、打席数が増えるごとに平均値に近づいていくことでも知られている。京田の.188という値は極端に低い値であるため、今後は持ち直す見込みが大きい。もっとも、京田の場合はまず首脳陣からの信頼を再び取り戻し、出場機会を勝ち取っていかなければならないが。

※データは前半戦終了時点

文●DELTA(@Deltagraphs/https://deltagraphs.co.jp/)

【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート5』(水曜社刊)が4月6日に発売。

文●DELTA(@Deltagraphshttps://deltagraphs.co.jp/
【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート5』(水曜社刊)が4月6日に発売。

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