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MLB

ブレーブスの新たな囲い込みに見る、エンジェルスの“コスパ”の悪さ。根本的に異なるチーム作りのセンスの違い

THE DIGEST編集部

2022.08.18

 今回のハリスの契約延長を見るにつけ、ブレーブスと“対照的”な球団編成のチームがエンジェルスかもしれない。今季も大谷翔平やマイク・トラウトらスター選手を擁しながら5年連続で負け越しが濃厚な状況で、ポストシーズンも8年連続で逃すことが確定的。エンジェルスは決して低予算なチームではなく、今季の総年俸はメジャー全体8位に入っている。しかし、補強してもなかなか結果が出ないという苦しい事態が続いている。

 しかも、“囲い込んだ”選手が総年俸の多くを占めているのも補強に影響している。トラウト、三塁手のアンソニー・レンドーン、便利屋のデビッド・フレッチャーの3人で、今後3年間の年俸は7945万ドル→7945万ドル→7995万ドルと推移。今季のチーム年俸を基準とすれば、彼ら3人で全体の約44%を占めることになり、これではチーム編成もなかなか難しくなってくる。

 ではブレーブスはどうか。契約延長を結んだハリス2世を含むアクーニャJr.、アルビーズ、オルソン、ライリーのコアプレーヤー5人で、今後6年間の年俸は6500万ドル→7200万ドル→7600万ドル→7600万ドル→7700万ドル→7100万ドルにとどめている。結果を残す核になる選手をエンジェルスより多く抱えた上で、しかも年齢も若いというのは、チーム作りにおいてこの上なく“健全”な環境にある。
 
 エンジェルスがMVP3回の最強選手トラウトに対して、12年4億2650万ドルの歴代最高契約を提示して慰留したことは間違いではない。しかし、7年2億4500万ドルを投じたレンドーンも30歳前後を期に故障が増え、成績も稼働も期待通りではない状況は、ブレーブスとはあまりに好対照な結果と言えるだろう。

 これは何も投資面の話だけではなく、ブレーブスの延長契約組はオルソン以外がすべて自前で育てた選手というのもすごい。ファーム組織から絶え間ない若手の供給ラインを作り上げたことで、恒久的に勝てるチーム作りをしているということだ。そしてこの面においても、エンジェルスはまったく機能していないからこそ、これだけ負けが続いているわけである。

 大谷との延長契約をエンジェルスは望んでいるが、年俸5000万ドル以上とも言われる大谷の相場を考えた時、さらにチーム編成は“歪”になってくる。果たしてその選択の先に、明るい未来は待っているのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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