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MLB

大谷を引き留めて優勝を目指すか、放出してゼロからの再建を目指すか。エンジェルスの新オーナーに突きつけられる「2つのシナリオ」<SLUGGER>

久保田市郎(SLUGGER編集長)

2022.08.24

 エンジェルスの新オーナーがこちらの道を選ぶ可能性も十分ある。当時のアストロズと同じように、エンジェルスのファーム組織は焼け野原に近い状態であることを思えば、むしろ再建ロードを選ぶ方が理に適っているとも言える。

 その場合、大谷は来年夏までには放出されるだろうし、残り契約の大半を負担してでもトラウトを放出するという「禁じ手」に出る可能性すらある。実は、この夏、ホアン・ソトをパドレスにトレードしたナショナルズにも同じように身売りの噂が飛び交っていた。そして、新オーナーにソト放出の「汚れ仕事」をさせるわけにはいかないということで、この夏のトレードにつながったとの憶測も出ていたのだ。それが事実なら、なおさら大谷放出の可能性は高まることになる。
 
 そもそも、チームをいったん更地状態にして、そこからファーム組織の拡充を経て5ヵ年計画で徐々に再建するという手法は、アストロズ以降ブレーブスやパドレス、ホワイトソックスなど多くの球団が追随しており、今のMLBではむしろポピュラーなチーム作りと言ってもいい。

 果たして、エンジェルスの新オーナーは誰になるのか。そして、どちらの道を選ぶのか。フィールド上の勝敗以上に今後、大きな注目を集めることになりそうだ。

文●久保田市郎(SLUGGER編集長)
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