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MVPやサイヤング賞にも匹敵する勲章――秋山翔吾がロベルト・クレメンテ賞にノミネートされる日

2019.11.22

 アンダーソンと似たところでは、イチローの愛弟子としても知られるディー・ゴードン(マリナーズ)はDV被害者救済、アスレティックスのクローザー、リアム・ヘンドリクスはいじめ防止運動に関わっている。いくつかのプロジェクトを掛け持ちしている選手も多く、ヘンドリクスは動物愛護活動も熱心に行っている。

 マーティン・プラド(マーリンズ)は給食費を払えない子供たちのためにマイアミ地域の2つの学校に乾燥食品の貯蔵庫を作り、計30万食を提供した。エデュアルド・エスコバー(ダイヤモンドバックス)は貧困家庭の子供たちに学校用品や制服、おもちゃなどを寄付する運動に携わっている。

 ちょっと笑ってしまうのが、パブロ・サンドバル(ジャイアンツ)だ。コロコロした太め体型で“カンフー・パンダ”の愛称で知られる彼が、よりによって子供たちに健康な食生活を啓蒙する「オペレーション・パンダ」なる活動を展開しているのだ。
 
 このように、メジャーリーグでは選手一人ひとりが自身の体験や関心対象に基づいて実に幅広い社会活動を展開している。シーズン中でも、貴重なオフの日を使って病院を訪問したり、チャリティイベントを開催している。

 そんな姿を近くで目撃するだけでも、秋山がメジャーリーグに挑戦する価値は十分あるように思える。いつか彼がロベルト・クレメンテ賞の候補になったら、それは日本人メジャーリーガーにとって、MVPやサイ・ヤング賞に匹敵する勲章になるはずだ。

文●久保田市郎(スラッガー編集部)

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