ワースト３位：2012年オリックス
１位    松葉貴大（投手）←大阪体育大    
２位    佐藤峻一（投手）←道都大    
３位    伏見寅威（捕手）←東海大    
４位    武田健吾（外野手）←自由ケ丘高    
５位    森本将太（投手）←福井ミラクルエレファンツ    
６位    戸田亮（投手）←ＪＲ東日本

　藤浪晋太郎（大阪桐蔭高→阪神）の外れ１位が松葉貴大（大阪体育大）で、３位が伏見寅威（東海大）なら、「良いとは言えなくともそこまで悪くはないのでは？」と思われるかもしれない。しかしこの12年は、近年では屈指の豊作年だった。

　プロ拒否の姿勢だった日本ハム・大谷翔平（花巻東高）や巨人以外お断りの菅野智之（東海大卒）はともかく、鈴木誠也（二松学舎大付高→広島）や則本昂大（三重中京大→楽天）、小川泰弘（創価大→ヤクルト）に宮﨑敏郎（セガサミー→DeNA）など、ほとんどの球団はのちにオールスターレベルになる選手を指名できていた。そう考えると、オリックスだけ取り残された感は否めない。即戦力と見込んで指名した２位の佐藤峻一（道都大）が、４年間で５試合の登板にとどまったのも痛かった。
  ワースト４位：2016年ソフトバンク
１位    田中正義（投手）←創価大学    
２位    古谷優人（投手）←江陵高    
３位    九鬼隆平（捕手）←秀岳館高    
４位    三森大貴（内野手）←青森山田高

　12年のオリックス同様、状況を考えると結果以上に失敗したドラフトだと言える。４位指名の三森大貴（青森山田高）が昨年から二塁のレギュラーを手中にし、全滅というわけではない。だが、５球団競合の末に１位で獲得した田中正義（創価大）は６年間で34試合に投げただけで未勝利。大学時代から抜群の素質を持ちながら故障の多さが懸念されていて、その不安が的中した格好だ。

　これだけでも大誤算だった上、２位で指名した古谷優人（江陵高）に至っては窃盗事件を起こして解雇。最速160キロの大型左腕として順調に成長していた矢先の出来事とあって、戦力的に痛手だったのは言うまでもなく、チーム全体に与えたイメージダウンも甚大だった。