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MLB

「エンジェルスはなぜ弱いのか?」来日したベテラン番記者が考えるチームの課題と改善策。そして「外野手・大谷」の実現性は?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.12.08

――今オフのこれまでの動きを振り返ってどう思いますか? また、今後さらに補強するべきポジションはどこでしょうか?

「これまでにエンジェルスが獲得した3人――タイラー・アンダーソン(先発投手)、ハンター・レンフロー(外野手)、ジオ・アーシェラ(内野手)は、効果的な補強だったと思う。もちろん、埋めるべきポジションがすべて埋まったということではないが、オフシーズンは数か月残っている。今後最大の補強ポイントは遊撃手だ。球団も、メジャーレベルのショートストップがいないことを深刻に捉えている。

 FA市場にはトレイ・ターナー(編集部注:インタビュー後にフィリーズと契約)やダンズビー・スワンソン、ザンダー・ボガーツ、カルロス・コレアと4人の大物遊撃手がいて、エンジェルスも誰が最もチームにマッチするかを考えていると思うが、4人のうち誰を獲得するにしても、高額なサラリーを支払わなければならない。今のエンジェルスに彼らを獲得する余裕があるかどうかだね」


――ドジャースやレイズはウェーバーやマイナー契約で獲得した選手を戦力に仕立て上げることが得意ですが、エンジェルスではなかなかそういう選手が出てきません。それはなぜでしょうか?

「そのためには、選手をリサーチして、改善できる余地がどれだけあるかを特定しなければならない。レイズやドジャース、それにアストロズといった一部のチームは、その点で他のチームよりも優れている。もっとも、エンジェルスにもそういう選手がまったくいないわけじゃない。昨年は、21年途中にマイナー契約で獲得したジミー・ハーゲットが非常にいい仕事をした」
 
――「資金をうまく使えていない」という問題は、大谷との再契約にも密接にかかわってくると思います。フレッチャーさんは「年4000万ドルで7~8年契約」と予想していますが、そうなると大谷、トラウト、レンドーンの3人で1億1000万ドルを超えることになります。これだけいびつだと、チーム全体の編成はますます硬直化してしまうのではないでしょうか?

「それはその通りだ。やはり、マイナーで多くの若手を戦力に育成できない限りは、プレーオフ争いができるようなチームになることは困難だろう」

――オーナーが代わって仮に総年俸が増えても、ファーム組織の改善や、安く獲得した選手を戦力化できないという問題はくすぶり続けると思います。新オーナーがペリー・ミナシアンGMを解任して、新しいエグゼティブを登用することはあり得るでしょうか?

「それについては、ミナシアンGMが今季のチームをどう編成するかにかかっている。今季も悪い結果に終わった場合には当然、新オーナーは新しいGMを必要とする可能性は十分にある。だが、少しでもチームの状態を改善できれば、今後もGMに残れる可能性だって十分にある」
 
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