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MLB

グリーンモンスター直撃の二塁打増加に期待もホームランは?吉田正尚とレッドソックス本拠地との気になる“相性”<SLUGGER>

大南淳【DELTA】

2022.12.17

【表】2022年 吉田正尚打球スプレーチャート

【表】2022年 吉田正尚打球スプレーチャート

 まず、吉田の打球方向別本塁打数を見てみよう。NPBで放った通算133本塁打のうち、約3分の2に相当する85本が引っ張り方向に飛んでいる。一方、逆方向への本塁打はわずか23本と、数としては多くない。

▼吉田の通算打球方向別本塁打
左    中    右
23    25    85

 そんな吉田にとって、フェンウェイ・パークはどう作用するだろうか。グリーン・モンスターがあるレフト方向の特性に注目が集まりがちなフェンウェイ・パークだが、実はライト方向もかなり特徴的だ。ライトポール際までの距離は92mと短い一方で右中間は最深128mと非常に深く、左打者にとっては本塁打が出にくい。

 今季の吉田のスプレーチャートを見てみよう。こうして見ると、吉田の本塁打の多くは、ライトポール側というよりは右中間に集まっている。フェンウェイ・パークの特徴から考えると、引っぱり方向では本塁打を減らす見込みが高そうだ。
 
 逆方向はどうだろうか。前述したように、吉田はレフト方向への本塁打が多い打者ではない。これに加えてグリーン・モンスターだ。レフトフェンスまでの距離は短くなるが、これだけフェンスが高いとなると、逆方向への本塁打が多くない吉田がアーチを量産するのはハードルが高そうだ。

 ただ、悪い話ばかりではない。スプレーチャートを見ると、レフト方向は本塁打にこそなっていないものの、フェンス付近まで運んだフライが数多くある。フェンウェイでは、こういった打球がグリーン・モンスターに直撃し、二塁打になることが多い。実際、平均的な球場に比べ左打者の二塁打が1.2倍以上出やすいというデータも出ている。吉田が二塁打を量産するポテンシャルは十分にありそうだ。

 まとめると、フェンウェイの右中間の深さは本塁打を量産する上では難敵になりそうだ。一方で、NPB時代のようにレフトフェンス際まで飛ぶ打球を数多く再現できるなら、グリーン・モンスターを味方にして二塁打を増やせるだろう。高い出塁能力も含め、メジャー1年目からどんな活躍を見せてくれるか楽しみだ。

文●DELTA(@Deltagraphs)
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~5』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する
 
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