3:ディズニーとの巨額ストリーミング放映権契約の分配
MLBは11月に、ストリーミング放送権の15%(残りの85%はBAMTech社が所有)を9億ドルでウォルト・ディズニー・カンパニーに売却した。売却益として、1チームあたり3000万ドルが分配された。
4:ぜいたく税ラインの引き上げ
これは「1」とも関連するが、新労使協定では、年俸総額で一定の金額を超えた時に科される戦力均衡税(ぜいたく税)の課税ラインが引き上げられた(2億1000万ドル→2億3300万ドル)。これによって、パドレスやメッツなどが積極補強に出ていることが大きい。
5:プレーオフ枠の拡大
これも昨オフの労使協定の決定事項で、22年からプレーオフ進出枠がに10チームから12チームに拡大。そして、レギュラーシーズンでは87勝75敗で地区3位だったフィリーズがリーグ優勝したことで、これに続けとばかりに積極補強に乗り出すチームが増えた。
端的に言えば、「チームの資金の増大」と「積極補強に乗り出しやすくなった環境」がかみ合い、FA選手にとっては売り手市場になった……というのがローゼンタールの分析だ。
これに加えてスタークは、市場の”狂乱”自体が球団フロントに与える心理も分析している。ある中規模球団の幹部は「FA選手の契約が決まっていくのを見ているうちに、いい選手をことごとく逃してしまうんじゃないかという恐怖に駆られる。これは本当にコントロールするのが難しい感情なんだ」と言う。
実際に今オフは、メッツやパドレス、レンジャーズなどが大型補強を展開。特にメッツは総年俸が史上初の3億ドルを超す勢いで“爆買い”を続けていた。こうした一部のチームの積極補強が他の球団を焦らせた部分もあったに違いない。さまざまな要因が積み重なって生じた今回のバブル。恩恵を受けられた選手は幸運だったと言えるだろう。
構成●SLUGGER編集部
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MLBは11月に、ストリーミング放送権の15%(残りの85%はBAMTech社が所有)を9億ドルでウォルト・ディズニー・カンパニーに売却した。売却益として、1チームあたり3000万ドルが分配された。
4:ぜいたく税ラインの引き上げ
これは「1」とも関連するが、新労使協定では、年俸総額で一定の金額を超えた時に科される戦力均衡税(ぜいたく税)の課税ラインが引き上げられた(2億1000万ドル→2億3300万ドル)。これによって、パドレスやメッツなどが積極補強に出ていることが大きい。
5:プレーオフ枠の拡大
これも昨オフの労使協定の決定事項で、22年からプレーオフ進出枠がに10チームから12チームに拡大。そして、レギュラーシーズンでは87勝75敗で地区3位だったフィリーズがリーグ優勝したことで、これに続けとばかりに積極補強に乗り出すチームが増えた。
端的に言えば、「チームの資金の増大」と「積極補強に乗り出しやすくなった環境」がかみ合い、FA選手にとっては売り手市場になった……というのがローゼンタールの分析だ。
これに加えてスタークは、市場の”狂乱”自体が球団フロントに与える心理も分析している。ある中規模球団の幹部は「FA選手の契約が決まっていくのを見ているうちに、いい選手をことごとく逃してしまうんじゃないかという恐怖に駆られる。これは本当にコントロールするのが難しい感情なんだ」と言う。
実際に今オフは、メッツやパドレス、レンジャーズなどが大型補強を展開。特にメッツは総年俸が史上初の3億ドルを超す勢いで“爆買い”を続けていた。こうした一部のチームの積極補強が他の球団を焦らせた部分もあったに違いない。さまざまな要因が積み重なって生じた今回のバブル。恩恵を受けられた選手は幸運だったと言えるだろう。
構成●SLUGGER編集部
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