今の侍ジャパンがスモールベースボールで世界に挑もうとしているのは、先述のプレーを見ても明白だ。実際、吉村禎章打撃コーチは、こう語っている。
「バッターが2ストライクと追い込まれてから粘ってフォアボールを取ったりっていう形は一番大事にしてほしい。ああいう形になると一番点が入りやすくて、打線が繋がりやすい。得点するケースも増えてくる。本番でもあのような、試合が動かないケースは出てくる。そういう時に周東と源田のような足を絡めた点の取り方はベストで、必要になる」
さらに今年1月の記者会見に、大谷とともに臨んだ栗山監督は、自らが目指す野球について、「相手のチームの形によって、こっちも柔軟に形が変えられるような、どういう対応でもできるように、そんなチームをつくりたい」と明言。そして、惜しげもなく理想を語っていた。
「ピッチャーを中心として、点をあげずに、しっかり守る。これがベースになってくる。先に行かれてもしっかり点を取っていけるチームであって欲しいと思います。ビハインドになって、2点を追いかけないといけない時に、より攻撃的なチームに形が変わって行く」
こうした首脳陣の考えをふまえても、1番には周東や中野のようなスピードのある選手を置き、2番には出塁率の高く、繋ぎができる近藤健介(日本ハム)か吉田正尚(ボストン・レッドソックス)を置くべきだろう。そのうえで大谷が入るべきは3番がベターではないかと筆者は考える。
昨季の大谷の打撃成績は、打率273、34本塁打、OPS.875、長打率.519とやはり“ポイントゲッター”としての性質が高い。エンジェルスでは2番を打つ機会が多い28歳だが、より得点圏で打席を回すのであれば、3番起用が妥当だ。状態次第ではあるが、おそらく4番を務める村上宗隆(ヤクルト)の存在を考えても、相手にとって、これほど怖い打線はないはずである。
チームに合流してから大谷をどう起用するかは決まる。はたして、球界屈指の天才ヒッターをどう組み込むのか。栗山監督の決断を興味深く見守りたい。
取材・文●羽澄凜太郎(THE DIGEST編集部)
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さらに今年1月の記者会見に、大谷とともに臨んだ栗山監督は、自らが目指す野球について、「相手のチームの形によって、こっちも柔軟に形が変えられるような、どういう対応でもできるように、そんなチームをつくりたい」と明言。そして、惜しげもなく理想を語っていた。
「ピッチャーを中心として、点をあげずに、しっかり守る。これがベースになってくる。先に行かれてもしっかり点を取っていけるチームであって欲しいと思います。ビハインドになって、2点を追いかけないといけない時に、より攻撃的なチームに形が変わって行く」
こうした首脳陣の考えをふまえても、1番には周東や中野のようなスピードのある選手を置き、2番には出塁率の高く、繋ぎができる近藤健介(日本ハム)か吉田正尚(ボストン・レッドソックス)を置くべきだろう。そのうえで大谷が入るべきは3番がベターではないかと筆者は考える。
昨季の大谷の打撃成績は、打率273、34本塁打、OPS.875、長打率.519とやはり“ポイントゲッター”としての性質が高い。エンジェルスでは2番を打つ機会が多い28歳だが、より得点圏で打席を回すのであれば、3番起用が妥当だ。状態次第ではあるが、おそらく4番を務める村上宗隆(ヤクルト)の存在を考えても、相手にとって、これほど怖い打線はないはずである。
チームに合流してから大谷をどう起用するかは決まる。はたして、球界屈指の天才ヒッターをどう組み込むのか。栗山監督の決断を興味深く見守りたい。
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