岡本が対峙してきたのは1打席に1球くらいしかやってこないストライク球と変化球ばかり。自ずと、そうしたボールへの対応力を求められて生きてきたのだ
片手一本で打った本塁打も、3打席目の変化球を狙い打った初球攻撃の芸当も、岡本の真骨頂なのだ。
もちろん、岡本のバッティング技術は年々進化している。それはジャイアンツの4番という重責を担っていること以外に、打者としてさまざまな経験を積んでいるからだ。その一つが2018年の日米野球だった。
岡本は言う。
「あの時はほんまに自分の中に引き出しがなかった。今回は対策を考えているわけではないですけど、まずは振りに行く中で対応していきたい。以前までよりは考えてできるのではないかと思う。球を見ながら、ここにきたらこうバットを出そうとか、ファウルになったら次はもうちょっとこれやってみようという部分はだいぶ成果が出たんじゃないかと思います」
かつては現役メジャーリーガーが投げ込んでくる、強くて速いストレートや動くボールに対応できなかった。しかし、その経験が糧となり、数年間の自己研鑽を経て、今大会を迎えているのである。
チームにとっても、岡本が打つ意味は大きい。ただでさえ左打者が多い打線だ。そもそも不調の村上が長く4番から外れなかったのも、岡本ら右打者の状態が上がってこなかったことも一因だった。
これで栗山英樹監督を安心させたということにはならない。マイアミでの決勝ラウンドからは相手投手のレベルは格段に上がる。その中で右打者である岡本がどこまで成果を上げることができるか。
「右打者が少ないので、何とか頑張っていきたい。アメリカでは楽しみですね。向こうの球場でできるというのもそうですし、今日もミーティングで話をしていたんですけど、3Aの選手やメジャーでの登板経験のある投手がいて、本当に対戦するのにワクワクしていました。次のステージに行けば投手のレベルが上がっていくと思うので、そういった投手と対戦できるのが楽しみです」
左打者ばかりが並ぶ偏重打線で勝てるほど世界での戦いは甘くない。岡本が打つことでチームの打線に厚みが加わるのは間違いない。
右打者がようやく意地を見せた。ファイナルステージへ向けての大きな1勝だった。
取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
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もちろん、岡本のバッティング技術は年々進化している。それはジャイアンツの4番という重責を担っていること以外に、打者としてさまざまな経験を積んでいるからだ。その一つが2018年の日米野球だった。
岡本は言う。
「あの時はほんまに自分の中に引き出しがなかった。今回は対策を考えているわけではないですけど、まずは振りに行く中で対応していきたい。以前までよりは考えてできるのではないかと思う。球を見ながら、ここにきたらこうバットを出そうとか、ファウルになったら次はもうちょっとこれやってみようという部分はだいぶ成果が出たんじゃないかと思います」
かつては現役メジャーリーガーが投げ込んでくる、強くて速いストレートや動くボールに対応できなかった。しかし、その経験が糧となり、数年間の自己研鑽を経て、今大会を迎えているのである。
チームにとっても、岡本が打つ意味は大きい。ただでさえ左打者が多い打線だ。そもそも不調の村上が長く4番から外れなかったのも、岡本ら右打者の状態が上がってこなかったことも一因だった。
これで栗山英樹監督を安心させたということにはならない。マイアミでの決勝ラウンドからは相手投手のレベルは格段に上がる。その中で右打者である岡本がどこまで成果を上げることができるか。
「右打者が少ないので、何とか頑張っていきたい。アメリカでは楽しみですね。向こうの球場でできるというのもそうですし、今日もミーティングで話をしていたんですけど、3Aの選手やメジャーでの登板経験のある投手がいて、本当に対戦するのにワクワクしていました。次のステージに行けば投手のレベルが上がっていくと思うので、そういった投手と対戦できるのが楽しみです」
左打者ばかりが並ぶ偏重打線で勝てるほど世界での戦いは甘くない。岡本が打つことでチームの打線に厚みが加わるのは間違いない。
右打者がようやく意地を見せた。ファイナルステージへ向けての大きな1勝だった。
取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
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