アダム・オッタビーノ(メッツ)は極端なインステップ投法からの、まるでフリスビーのように横滑りするスライダーが武器。右打者にとっては、一瞬自分に向かってくるように見えて、そこから外角方向へ急激に曲がるので厄介なことこの上ない。
デビン・ウィリアムズ(ブルワーズ)の伝家の宝刀チェンジアップは“エア・ベンダー”の異名を取り、MLBでも最高級の魔球とされている。
最後を締めくくるのは、世界一軍団アストロズでクローザーを務めるライアン・プレスリー。かつては高回転カーブが代名詞だったが、最近はむしろスライダーを決め球としている。昨季のスライダーの空振り/スウィング率は何と51.7%。つまり、バットに当たる確率すら半分に満たない。
興味深いのは、デローサ監督がケリーの後に“第2先発”を挟むかどうか。その場合、登板可能性があるのはカイル・フリーランド(ロッキーズ)とブレイディ・シンガー(ロイヤルズ)だが、シンガーは1次ラウンドのメキシコ戦で大乱調、左腕のフリーランドもケリーと同じで球種は多いものの特にこれといった武器はなく、比較的攻略しやすい部類に入るはずだ。
これだけの実力者から、今日のようにゲーム終盤に大量点を挙げるのは考えにくい。だからこそ、日本としては先発のケリーをしっかり攻略しなければならない。メキシコ以上の強打を誇る打線を相手に、ある程度の失点を覚悟しなければならないのだからなおさらだ。
泣いても笑ってもあと1試合。両チームには、史上最もエキサイティングな大会となった2023年WBCの最後にふさわしい熱戦を期待したい。
構成●SLUGGER編集部
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これだけの実力者から、今日のようにゲーム終盤に大量点を挙げるのは考えにくい。だからこそ、日本としては先発のケリーをしっかり攻略しなければならない。メキシコ以上の強打を誇る打線を相手に、ある程度の失点を覚悟しなければならないのだからなおさらだ。
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