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MLB

過去2年の「厳冬」から一転、大型契約が続出。なぜFA市場が活況になっているのか

2019.12.07

 スミス以外はいずれも予想を上回る額を手にし(スミスにしても「誤差の範囲内」だが)、ムスタカス、ギブソン、アブレイユ、ポメランツは契約年数も長い。昨オフはハーパーとマチャドを含めても総額5000万ドル以上の契約が6件しかなかったのに、このオフはすでに4件。しかも、ゲリット・コール、アンソニー・レンドーン、スティーブン・ストラスバーグ、ジョシュ・ドナルドソン、リュ・ヒュンジンといった大物がまだ市場に残っている。明らかに潮目は変わりつつあることが分かるだろう。

 もう一つの特徴は、今シーズン下位に沈んだチームが積極的に動いていることだ。ホワイトソックス(72勝89敗)とレッズ(75勝87敗)、パドレス(70勝92敗)は数年の再建期間を経て勝負モードに入る態勢を整え、レンジャーズ(78勝84敗)も新球場完成を控えて戦力向上を目指している。過去2年と比べ、補強へのモチベーションを持つチームが増えたことが、市場の活性化につながっていることは間違いない。
 
 だが、ストーブリーグの「本番」はこれからだ。ヤンキースはコール獲得を今オフの最優先事項に掲げ、オーナーが巨額資金投入にゴーサインを出したと伝えられる。ウィーラー争奪戦に勝利したフィリーズはその勢いに乗って今度はレンドーンに照準を定め、一方のナショナルズはレンドーン流出に備えてドナルドソン獲得に乗り出しているとの噂もある。

 大物選手の動向をめぐってさまざまな噂が憶測が錯綜し、時には意外なチームがあっと驚くような大型契約を成立させる――やっぱりMLBのストーブリーグはこうであってほしい。

文●久保田市郎(SLUGGER編集長)
 
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