一方、マウンドさばきで、エースの品格を見せているのが平良だ。
実は3人の中では、平良はそこまで好調ではない。
ストレートの最速は156キロを計測しているが、制球が思うようにいかない。先発初勝利を挙げた4月11日のロッテ戦でも、中村奨吾に2ランホームランを浴びて思わずロジンバックを叩きつけている。
同18日のソフトバック戦でも白星こそ上げたものの、マウンド上では必ずしもうまくいっていないようなしぐさが目立っていた。
しかし、中14日あけて登板した5月3日の日本ハム戦では、8安打を浴びながらも頭脳的なピッチングを見せた。
この試合のカギになったのは2つの場面だ。
一つは、先制を許した4回表の投球だった。
先頭の万波中正に二塁打を浴びると、続く4番の野村佑希にもセンター前に弾き返された。この打球に対し、センターの西川愛也がダイビングキャッチを試みるも捕れず、結果的にタイムリー三塁打となった。
1点を失ったばかりか、なおも無死三塁のピンチ。失点を重ねてもおかしくない場面だった。
しかし、平良は後続の上川畑大悟をショートゴロ、アルカンタラはショートフライ、伏見寅威は空振り三振に切ってとる見事なピッチングで抑えている。
平良は言う。
「先発をやっている以上は、1点を取られても次が大事かなと思います。あそこで踏ん張れたのは先発投手の仕事としては良かった」
2つ目は1点リードで迎えた7回表だった。
やはりこの時も先頭打者に二塁打を許したのを皮切りに、自身のバント処理ミスなどで無死満塁のピンチを招いた。絶体絶命の場面だったが、そこから昨季の首位打者・松本剛をピッチャーごろからの併殺打に打ちとり、続く谷内亮太もセンターフライに抑えて無失点で切り抜けたのだ。
この時点ですでに球数が100球を超えていたが、156キロを何度も計測。ピッチングのギアを上げたかのように見えた。
だが、平良はそれをあっさりと否定した。
「ギアチェンジとか僕にはないですね。チームが3連敗ということも考えてなかった。自分の仕事を果たすだけでした。みんながそれをやれば良い方向にいくと思う。少ない失点に抑えることだけに集中して投げ切ることができた」
崩れそうな展開から踏ん張る。勝負どころを見極めてここ一番のピッチングができるところは、まさに「エースの佇まい」だった。
平良の中には先発投手として果たすべき役割のプライオリティがあるようだ。
「まずはイニングですね。長いイニングを投げてたくさん三振を取って、試合に貢献するピッチャーがすごいなとずっと思ってきました。その中で中継ぎ投手のような防御率を残せたらと思う」
では、今の平良にはエースという立場への欲望はあるのだろうか。
「やっている限りはありますよ。でも、エースは光成さん。一番イニングを投げてきていますし、点を取られないので一番まとまっていると思います。みんな光成さんを見て追い越そうとしていると思います」
実は3人の中では、平良はそこまで好調ではない。
ストレートの最速は156キロを計測しているが、制球が思うようにいかない。先発初勝利を挙げた4月11日のロッテ戦でも、中村奨吾に2ランホームランを浴びて思わずロジンバックを叩きつけている。
同18日のソフトバック戦でも白星こそ上げたものの、マウンド上では必ずしもうまくいっていないようなしぐさが目立っていた。
しかし、中14日あけて登板した5月3日の日本ハム戦では、8安打を浴びながらも頭脳的なピッチングを見せた。
この試合のカギになったのは2つの場面だ。
一つは、先制を許した4回表の投球だった。
先頭の万波中正に二塁打を浴びると、続く4番の野村佑希にもセンター前に弾き返された。この打球に対し、センターの西川愛也がダイビングキャッチを試みるも捕れず、結果的にタイムリー三塁打となった。
1点を失ったばかりか、なおも無死三塁のピンチ。失点を重ねてもおかしくない場面だった。
しかし、平良は後続の上川畑大悟をショートゴロ、アルカンタラはショートフライ、伏見寅威は空振り三振に切ってとる見事なピッチングで抑えている。
平良は言う。
「先発をやっている以上は、1点を取られても次が大事かなと思います。あそこで踏ん張れたのは先発投手の仕事としては良かった」
2つ目は1点リードで迎えた7回表だった。
やはりこの時も先頭打者に二塁打を許したのを皮切りに、自身のバント処理ミスなどで無死満塁のピンチを招いた。絶体絶命の場面だったが、そこから昨季の首位打者・松本剛をピッチャーごろからの併殺打に打ちとり、続く谷内亮太もセンターフライに抑えて無失点で切り抜けたのだ。
この時点ですでに球数が100球を超えていたが、156キロを何度も計測。ピッチングのギアを上げたかのように見えた。
だが、平良はそれをあっさりと否定した。
「ギアチェンジとか僕にはないですね。チームが3連敗ということも考えてなかった。自分の仕事を果たすだけでした。みんながそれをやれば良い方向にいくと思う。少ない失点に抑えることだけに集中して投げ切ることができた」
崩れそうな展開から踏ん張る。勝負どころを見極めてここ一番のピッチングができるところは、まさに「エースの佇まい」だった。
平良の中には先発投手として果たすべき役割のプライオリティがあるようだ。
「まずはイニングですね。長いイニングを投げてたくさん三振を取って、試合に貢献するピッチャーがすごいなとずっと思ってきました。その中で中継ぎ投手のような防御率を残せたらと思う」
では、今の平良にはエースという立場への欲望はあるのだろうか。
「やっている限りはありますよ。でも、エースは光成さん。一番イニングを投げてきていますし、点を取られないので一番まとまっていると思います。みんな光成さんを見て追い越そうとしていると思います」