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プロ野球

DeNA投手陣が“理論派”メジャーリーガーに触れた日。エースとホープは何を得たのか

萩原孝弘

2019.12.09

DeNAの2軍施設でキャッチボールを行うレッズのバウアー。撮影萩原孝弘

DeNAの2軍施設でキャッチボールを行うレッズのバウアー。撮影萩原孝弘

 京山は「凄くいい経験になった。変化球を投げてもらったが、一つひとつの精度が素晴らしかった。綺麗なボールではないがちょっとシュート回転しながらも強いボールが低めに集まっていた」と感心しきり。バウアーも「4シームのバックスピンが素晴らしい」と称え、「ドライブラインでは”ピッチデザイン”で4シームやカーブなどどんな回転、動きをしているのかを確認し理想の変化を手に入れることと”バイオメカニズム”で身体の使い方を学んでほしい。結果的にボールが速くなるかもしれない」とアドバイスを送った。

 さらに、バウアーは京山からスプリットの握りを教わると「自分の球種には無いボール。日本人のピッチャー、大谷(翔平)や田中(将大)はいいスプリットを投げる。自分も学んでいいスプリットが投げられれば」と笑顔を見せた。
 
 そして、バウアーは今永に次のように伝えたという。

「ドライブラインはそれぞれに対してプログラムを作り、それを評価する。身体や動き、球速などを見て、それからプログラムを組む。必ずあなたに合ったプログラムを提案してくれる。始めたときに違和感があればトレーナーに質問し、それでも納得できなければそれは合わないこと続けなくてもいい」

 今永は「ドライブラインで効率のいい投げ方を学びたい。ストレートの球速のマックスを上げるよりもアベレージを上げたい。平均球速を保つようなトレーニングをして、新しい引き出しをを見つけられられれば。いろいろ試していいところを抜粋したい」と目を輝かせた。

 現在DeNAの二軍ピッチングコーチはメジャーで51勝をマークした大家友和が務めている。ドライブラインでも使用している、重いボールを使用したトレーニングなど、新しい試みを取り入れており、京山もカットボールを教わるなど有益な指導を受けている。今永はシーズン中から自分の投球を数値化する「トラックマンは見させてもらってます。可視化出来るので、”自分のタイプはこうだから”こういうトレーニングをすることができる」と、理にかなったトレーニングに取り組んでいる。

 エースとホープ。立場の違う二人ではあるが、野球に対して向上したいとの気持ちは同じ。最新の「ドライブライン」で、どのような学びを得てくるのか。来季以降の変化も興味深いところである。

取材・文・写真●萩原孝弘(ライター兼カメラマン)

【著者プロフィール】
はぎわらたかひろ。1971年、横浜生まれ横浜育ち。フリーとして野球はDeNAを担当。プロレス、格闘技とともに芸能も手掛ける。
 

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