裏を返せば、21年のエンジェルスのドラフト戦略はかなりリスクが高い。まず、あまりに即戦力指名に偏ると、いずれファーム組織の層が急激に薄くなってしまう時期が来る。また、野手を一人もしなかったことの反動もいずれ来るだろう。
メディアもファンも、早期昇格したネトやジョイスが活躍しているうちは即戦力の若手台頭を歓迎するだろう。実際に、昇格時には「早過ぎる」という声もあったネトはメジャーの舞台で成長を続けている印象があり、大当たりとなる可能性も十分ある。ジョイスもこのまま勝ちパターンに定着するならば、3巡目指名としては好結果かもしれない。
しかし、全体9位指名のバックマンは本来は先発として大成してくれないと指名成功とは言い難い。リリーフ投手はウェーバーや安価なFA/トレードで補強可能だが、先発投手は難しい。だからこそ、自分たちでしっかり育成する必要がある。そうでなくては球団の長期的な戦力維持は難しい。ドジャースやレイズ、アストロズが常勝軍団として君臨できるのは、ドラフトも含め自前で先発投手を育成できていることが大きな要因と言って間違いない。 そう考えると、将来をある意味犠牲にしてまで、あえて大学生投手ばかりを指名した結果が数人の中継ぎ投手という結果になれば、ドラフトとしては「惨敗」に等しい。全体9位という上位指名枠を持っていたのだからなおさらだ。その意味では、バックマンやシルセスの早期昇格は決して手放しでは喜べないだろう。
ネト、ジョイスの成長をもってしても、エンジェルスのファーム組織の評価は高くない。それは、真にインパクトのある選手を生み出せていないからだ。1ヵ月後には今年のドラフトが行われるがミナシアンGMは過去2年の即戦力指名路線を続けるのか。ドラフト後には夏のトレード戦線も本格化する。大谷の去就も含めてチームの今後を占うためにも今年の7月は大事な夏となりそうだ。
文●城ノ井道人
【著者プロフィール】
しろのいみちと。会社勤めの後、渡米してMLB記者として全米を飛び回る。。日米問わず若手有望株への造詣が深く、仲間内で「日本版ファンタジーリーグ」を毎年開催し、次代のスター発掘に余念がない。
メディアもファンも、早期昇格したネトやジョイスが活躍しているうちは即戦力の若手台頭を歓迎するだろう。実際に、昇格時には「早過ぎる」という声もあったネトはメジャーの舞台で成長を続けている印象があり、大当たりとなる可能性も十分ある。ジョイスもこのまま勝ちパターンに定着するならば、3巡目指名としては好結果かもしれない。
しかし、全体9位指名のバックマンは本来は先発として大成してくれないと指名成功とは言い難い。リリーフ投手はウェーバーや安価なFA/トレードで補強可能だが、先発投手は難しい。だからこそ、自分たちでしっかり育成する必要がある。そうでなくては球団の長期的な戦力維持は難しい。ドジャースやレイズ、アストロズが常勝軍団として君臨できるのは、ドラフトも含め自前で先発投手を育成できていることが大きな要因と言って間違いない。 そう考えると、将来をある意味犠牲にしてまで、あえて大学生投手ばかりを指名した結果が数人の中継ぎ投手という結果になれば、ドラフトとしては「惨敗」に等しい。全体9位という上位指名枠を持っていたのだからなおさらだ。その意味では、バックマンやシルセスの早期昇格は決して手放しでは喜べないだろう。
ネト、ジョイスの成長をもってしても、エンジェルスのファーム組織の評価は高くない。それは、真にインパクトのある選手を生み出せていないからだ。1ヵ月後には今年のドラフトが行われるがミナシアンGMは過去2年の即戦力指名路線を続けるのか。ドラフト後には夏のトレード戦線も本格化する。大谷の去就も含めてチームの今後を占うためにも今年の7月は大事な夏となりそうだ。
文●城ノ井道人
【著者プロフィール】
しろのいみちと。会社勤めの後、渡米してMLB記者として全米を飛び回る。。日米問わず若手有望株への造詣が深く、仲間内で「日本版ファンタジーリーグ」を毎年開催し、次代のスター発掘に余念がない。
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