西武打線は5回に1点を返すと、6回に一挙3得点。髙橋はすでにこの時マウンドを降りていたが、序盤の乱調後に立ち直ったからこそ、試合展開が大きく変わったのだった。
「投球フォームを変えたりしてみたんですよね。癖が出ているんじゃないかなというのも頭の中にあったんで。そこに加えて変化球でカウントが取れるようになってきたんで、うまく抑えられたと思う。6回まで投げることができれば一番良かったんですけどね」
5回を終えた時点で球数はすでに100球を超えていたから、続投するケースではないことは髙橋自身も分かっている。それでも、もう1イニングが頭をよぎったのは、チームで最も信頼される投手になるために必要な要素と思っているからだ。
「僕自身、エースというものに執着というか、こだわりはないんですけど、チームで一番いい投手という信頼は得たいですから。任された試合で自分のパフォーマンスを最大限に出すことはエースの条件かなと思います。やっぱり、イニングはこだわりたいですよね」
交流戦で連敗してしまったこともあって、5勝5敗と勝敗は五分。防御率は2点台前半をキープしているものの、これからは対策されることを理解しながら、長いイニングを投げられる投手になる必要があるだろう。
「やっぱり対策してきていることは感じるんですけど、僕自身もそこをうまく『対応』って言ったら受け身になってしまいますけど、それを超えられるようにちょっと考えていかなきゃいけないというのは感じていますね。一発で仕留めてくるところは(ソフトバンク打線も)さすがだと思いますからね」
エースだからこそ丸裸にされる。
各球団が髙橋をエースと認めたわけだから、ここからをどう乗り越えていくかが、さらなる成長につながっていくのではないか。
「勝ち負けに執着はできないですし、コントロールできないですけど、いかに勝ちにつながる投球ができるか。相手に流れを渡さず、自分が試合を支配しながら、点を取ってもらったら、次の回は点を与えないとか。そういうピッチングをしていきたいですね。次の試合では、今回の悪かった部分を引きずらずに、自分のパフォーマンスを発揮できるようにしていきたいですね」。
次回登板は高橋光成にとって大きな意味を持つ。
真のエースになるための通るべき試練を乗り越える登板の一つになりうる。チーム状態が最悪なだけに、今こそ髙橋の真価が問われるのだ。
取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『SLUGGER』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
「投球フォームを変えたりしてみたんですよね。癖が出ているんじゃないかなというのも頭の中にあったんで。そこに加えて変化球でカウントが取れるようになってきたんで、うまく抑えられたと思う。6回まで投げることができれば一番良かったんですけどね」
5回を終えた時点で球数はすでに100球を超えていたから、続投するケースではないことは髙橋自身も分かっている。それでも、もう1イニングが頭をよぎったのは、チームで最も信頼される投手になるために必要な要素と思っているからだ。
「僕自身、エースというものに執着というか、こだわりはないんですけど、チームで一番いい投手という信頼は得たいですから。任された試合で自分のパフォーマンスを最大限に出すことはエースの条件かなと思います。やっぱり、イニングはこだわりたいですよね」
交流戦で連敗してしまったこともあって、5勝5敗と勝敗は五分。防御率は2点台前半をキープしているものの、これからは対策されることを理解しながら、長いイニングを投げられる投手になる必要があるだろう。
「やっぱり対策してきていることは感じるんですけど、僕自身もそこをうまく『対応』って言ったら受け身になってしまいますけど、それを超えられるようにちょっと考えていかなきゃいけないというのは感じていますね。一発で仕留めてくるところは(ソフトバンク打線も)さすがだと思いますからね」
エースだからこそ丸裸にされる。
各球団が髙橋をエースと認めたわけだから、ここからをどう乗り越えていくかが、さらなる成長につながっていくのではないか。
「勝ち負けに執着はできないですし、コントロールできないですけど、いかに勝ちにつながる投球ができるか。相手に流れを渡さず、自分が試合を支配しながら、点を取ってもらったら、次の回は点を与えないとか。そういうピッチングをしていきたいですね。次の試合では、今回の悪かった部分を引きずらずに、自分のパフォーマンスを発揮できるようにしていきたいですね」。
次回登板は高橋光成にとって大きな意味を持つ。
真のエースになるための通るべき試練を乗り越える登板の一つになりうる。チーム状態が最悪なだけに、今こそ髙橋の真価が問われるのだ。
取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)
【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『SLUGGER』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。
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