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プロ野球

2年目の左腕・隅田知一郎が自身初の連勝&二桁奪三振「光成さんのピッチングに刺激をもらいました」【西武】

岩国誠

2023.07.19

 2アウトで迎えたのは、初回にホームランを打たれたマルティネス。「多少の意識はあった」といいながらも高めを3球続けて追い込むと、2打席目で三振を奪った低目へのチェンジアップで打ち気を誘い、最後は同じコースにフォークを投げて、自己初の二桁、10個目の三振を奪いピンチを切り抜けた。

「チェンジアップはケアされていたので、最後はフォークを選択しました。違う球種を同じコースに投げることができたのでよかったですし、勝負に行けたので、いい結果になってよかったと思います」

 この日は変化球中心の配球となった。それは連日、日本ハム打線を抑えてきた捕手・古賀と何度も話し合った結果のことだった。

「古賀とはいっぱい話をしました。古賀の日本ハム打線の印象、バッターがどういうボールを待っているかとかを踏まえて、古賀は慎重に、僕は大胆にという考え方の中で、互いの意思疎通を大事にしていました。その結果、今日は真っ直ぐが見せ球になる展開になったと思います。(互いに)いろいろ経験をしている最中ですけど、同じ失敗を繰り返さないように、後悔しない球を2人で選べるようにしています」
 
 バッテリーが徹底的に話しあった結果が、自己最多となる12個の奪三振ショーを作り出した。以前、三振にこだわりはないと話していた隅田だが、お立ち台で「(二桁奪三振を)一度はとってみたかった」と話した姿はまんざらでもない様子だった。

 前半戦を終え、昨年を大きく上回る5勝をあげた隅田。あと2勝すれば勝敗数は7勝7敗の五分になる。昨年は1勝10敗と大きく負け越しているが、意識する部分はあるのか。

「勝ち負けに関しては、僕が操作できることではないので、本当に一人ひとりを抑え、1イニングでも長く投げて、後ろの投手につなげるように、後半戦も投げていきたいです。もちろん、その中で自分に勝ちがつくのが一番いい形ですけど、まずはチームが勝てるようにやっていきたい。(オールスター休みで)しっかりリフレッシュして、後半戦にスッと入っていけるように準備したいと思います」

 後半戦は7月22日に始まり、隅田は25日からベルーナドームで行なわれるロッテ3連戦での登板が有力視される。今季は投げるたびに確かな成長を感じさせる2年目の左腕は、上位相手にどんな投球を見せるのか。後半戦の再開が楽しみで仕方ない。

取材・文●岩国誠

【著者プロフィール】
いわくに・まこと/1973年3月26日生まれ。32歳でプロ野球を取り扱うスポーツ情報番組のADとしてテレビ業界入り。Webコンテンツ制作会社を経て、フリーランスに転身。それを機に、フリーライターとしての活動を始め、現在も映像ディレクターとWEBライターの二刀流でNPBや独立リーグの取材を行っている。

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