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高校野球

初日からいきなり仙台育英と浦和学院が激突!愛工大名電×徳島商の伝統校対決にも期待【夏の甲子園初戦注目カード5選】<SLUGGER>

西尾典文

2023.08.05

▼大会6日目第2試合:立正大淞南(島根)vs広陵(広島)
 昨年秋、今年春の中国大会チャンピオンで、仙台育英と並んで優勝候補の筆頭と見られている広陵に、同じ中国地区の立正大淞南が挑む。広陵はドラフト上位候補の真鍋慧(3年)に注目が集まるが、チームの中心はエースの高尾響(2年)、正捕手の只石貫太(2年)の2年生バッテリーだ。高尾は抜群の制球力と145キロ前後のスピードを誇り、安定感は今大会でも屈指の存在。只石も2年生とは思えないレベルの高いキャッチング、スローイングを見せており、打っても中軸を務める。リードオフマンの田上夏衣(3年)など他にも力のある選手を揃え、チーム力は間違いなく全国で屈指だ。

 立正大淞南は昨年秋、今年春といずれも県大会で敗れて中国大会出場を逃したが、この夏は危なげない戦いで島根大会を制した。注目は4番で投手も務める山下羅馬(3年)で、島根大会では5試合で10安打、打率.714の成績を残している。投げても140キロ台のスピードを誇る本格派だ。先発としての登板が予想されるだけに、山下の投打にわたる活躍で広陵に何とか食らいつきたい。
 
▼大会7日目第2試合:専大松戸(千葉)vs東海大甲府(山梨)
 関東の強豪同士の対決。専大松戸はエースの平野大地(3年)以外にも本格派サイドスローの青野流果(3年)、145キロ右腕の梅沢翔大(2年)と力のある投手が揃い、投手力は今大会でも屈指だ。打線もセンバツと比べて力強さが増し、千葉大会でもたびたび集中打を見せて大量得点を奪った。秋、春、夏と3季続けて激戦区である千葉を制した力は本物で、優勝争いに絡む可能性も高い。

 近年はセンバツ優勝の山梨学院に押されて8年ぶりの出場となる東海大甲府だが、今年は強力打線のチームで甲子園に乗り込んできた。山梨大会5試合中4試合で2ケタ得点をマークしており、多少のビハインドは跳ね返す破壊力がある。中でも主将で3番の兼松実杜(3年)は打率.529、3本塁打、14打点と好調で得点源として大きな存在となっている。投手陣には不安が残るものの、打ち合いになれば面白い展開となりそうだ。

文●西尾典文

【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。

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