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プロ野球

サンドの粋な司会に退団の嶋は感無量、今江は感動しきり。楽天の『ファン感』は爆笑と感動の渦に

松山ようこ

2019.12.15

息子との“共演”に、今江本人だけでなく球場からも感動の涙が……。撮影:松山ようこ

息子との“共演”に、今江本人だけでなく球場からも感動の涙が……。撮影:松山ようこ

▶借り物競争は“借りられなくて”大盛り上がり

 この後、球場ではゆるスポーツ選手権が開催。選手たちが、サンドウィッチマンの伊達みきお率いる「伊達軍」と富澤たけし率いる「富澤軍」に分かれて対決。

 借り物競争では、それぞれ「みきお」と「たけし」という名前のお客さんを見つけて連れてくるという司令が下ったが、両軍とも「みきお」が見つけられないという、オイシイ結末に。スタンドには両軍の選手たちが一斉にやってくるので、ファンも大興奮で盛り上がった。

 フィールドコンテンツの最後はホームラン競争。代表の打者がバッティングティースタンドから、何本をスタンドインするか競う。残りの選手はフィールドで守備に就く。伊達軍の打者は山下斐紹。山下は「(制限時間の2分は)長い! キツかったっす!」と言いながら、9本の柵越え。一方の富澤軍の打者はフェルナンド。すると、選手たちがゾロゾロと前進。「ほぼ内野にいるし!」とツッコまれて、どっと沸い中、フェルナンドは次々と豪快に打球を引っ張り、13本塁打で見事優勝した。


▶「もとひろ君」の挨拶に感動の渦

 サンドウィッチマンの手腕は、笑いだけではない。球場内イベントを仕切る中、「友だちのもとひろ君」と称して、ヤクルトへ移籍するチーム最大の功労者・嶋基宏を呼びつけ、ファンの前で挨拶をさせた。これにはファンも大喜び。

 嶋も感無量といった表情で、それでも「泣かないと決めたので」と気丈に、爽やかにファンの前でこれまでの感謝と来季からの再チャレンジを誓った。ちょっとだけ、上を向いて涙を堪えるもすぐにキリッと前を向いて「大丈夫です!」。スタンドからは「嶋~!」「ありがとう~!」の大声援が飛び交った。
 
▶今江親子の最初で最後の対決は…

 イベントの合間には、戸村健次と西宮悠介の合同引退セレモニー、そして今江敏晃の引退セレモニーも行われた。

 18年もの間、トップ選手として活躍した今江だったが、最終年の後半は二軍にいたこともあり、引退試合はなかった。ところが、『ファン感』で行われた引退セレモニーで、14歳の息子・陸人(りくと)君から、「最後にぼくと一打席、勝負してください」と父子対決が実現。

「何も聞かされていなかった」という今江は、感動しきりで打席に入り、陸人くんが投じた2球目をセンター前に運んでウイニングラン。チームメイト全員から、盛大に「高すぎる~!」と悲鳴をあげるほどの胴上げをしてもらい、引退試合よりも印象に残る“最終打席”で現役のエンディングを飾った。

 戸村と西宮も、シーズンでの葛藤を乗り越えて、引退セレモニーで挨拶。「幸せでした」と語り、今後は二人ともが打撃投手として、チームを支えることを明らかにした。

【PHOTO】大盛り上がりの楽天ファン感の様子はこちら!

取材・文●松山ようこ
【著者プロフィール】
翻訳者・ライター。『SLUGGER』では笑撃ランキングなど面白ネタ収集を担当。インタビュー仕事も多く、野球選手はじめ幅広くスポーツ選手やさまざまな分野の著名人を取材する。

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