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プロ野球

次代の投手王国の一角となるか――スケール感とクレバーさを併せ持つ西武5年目・渡邉勇太朗の成長から目を離すな<SLUGGER>

氏原英明

2023.09.26

 もっとも、今季初登板とあって、この日は緊張もあった。球数が少し多くなり「やっぱり一軍の選手はレベルが違う」と思うようにいかなかったところもあった。ただ、それは一軍で投げてみないと分からないところではあっただろう。

「球数を多く使ったところは反省点ですね。一軍のレベルだと違ってくるので、その差が出たんだと思いますけど、さすがに多かったと思います。もう1イニング行きたかったですけど、任せてもらえる投手にならなきゃいけないし、なりたいなと思いました。そこはやっぱり悔しい気持ちで降板しました」

 高校時代からストレートの最速がはるかに伸びたことは間違いないし、変化球のキレや精度も別人と言えるほどに成長した姿を見せた。加えて、うまくストレートの出力を調整する持ち味も失われることなく、順調な成長曲線を描いていることも確認できた。
 今シーズンの西武投手陣は、高橋光成、今井達也、平良海馬が10勝トリオを形成。2年目の隅田知一郎も9勝を挙げるなどレベルの高い布陣が完成しつつある。この中に渡邉が入ることで、チームそのものの浮上も期待できるというもの。

 残り試合が少ない中で、どれだけ存在感を見せつけられるか。

「まだ何も言われてないんですけど、チャンスをもらえたらしっかり結果を残すことが大事かなと思う。そこは結構、意識して投げたいなと思います」

 大きな足跡を残した1勝。

 10勝トリオに割って入るか。残り数試合、そのスケールの大きなピッチングを楽しみにしたい。

取材・文●氏原英明

【著者プロフィール】うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『SLUGGER』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設。このほど、パ・リーグ特化のWEBマガジン「PLジャーナル限界突パ」を創刊した。

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