この日の勝利を含め、シチズンズバンク・パークでのフィリーズはポストシーズン通算24勝11敗。勝率.686は、20試合以上開催した球場の中で最高の数字だ。ハーパー、シュワーバー、トレイ・ターナー、ニック・カステラノスといった経験豊富な強打者たち、2枚のエース、強力ブルペン、そして史上最高級の“ホームフィールド・アドバンテージ”を持ったフィリーズは、今秋ももちろん怖い存在であり続けるはずである。
もっとも、そんなフィリーズも、7日から始まる地区シリーズではワイルドカード・シリーズのように簡単には勝てないはずだ。対戦相手は、今季MLB最多の104勝を挙げ、フィリーズに14ゲーム差で独走優勝した第1シードのブレーブス。球界最高級のタレント集団との天王山を迎えようとしている。
下馬評では、やはりブレーブスが優位と見られているのは仕方ない。史上初の40本塁打&70盗塁を達成したロナルド・アクーニャJr.、今季メジャー最高の54本塁打を放ったマット・オルソンをはじめ、歴代最多タイの307本塁打、947得点を叩き出した強力打線はまさに脅威だ。
ただ、それでもフィラデルフィアの勝負師軍団に恐れはない。
「すでに何度も対戦してきたから、ブレーブスがどれだけいいチームかはわかっている。ただ、私たちはポストシーズンの成功のために構成されたチームだ。みんな自信を持っているし、楽しいシリーズになるよ」 ワイルドカード・シリーズ終了後、シャンパンファイトの飛沫の中で捕手のJT・リアルミュートがそう述べていた通り、この時期に照準を合わせてきたフィリーズはブレーブスとの真っ向勝負で太刀打ちできる数少ないチームではあるのだろう。実際、昨年の地区シリーズでは圧倒的な声援も追い風にして3勝1敗で下克上を果たしている。
日程的にウィーラー、ノラを第1戦では先発起用できないだけに、第2戦が最初のポイントか。アトランタでの2試合で何とか1勝を挙げ、昨季同様、1勝1敗で絶対の自信を持つシチズンズバンク・パークに戻ってくれれば面白くなる。そのときにはメジャー最高の“ホームフィールド・アドバンテージ”がものをいう可能性も出てくるはずだ。
群雄割拠のナ・リーグのバトルはここでハイライトを迎える。2年連続でのリーグ制覇を目指すフィリーズか、2年ぶりのワールドシリーズを狙うブレーブス か。スリリングな予感とともに、決戦の開始までもうあとわずかである。
取材・文●杉浦大介
【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。
【山本萩子のMLBプレーオフ至上主義!│後編】10月の大舞台で輝いてこそ真のスーパースター。今年の注目選手は?<SLUGGER>
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下馬評では、やはりブレーブスが優位と見られているのは仕方ない。史上初の40本塁打&70盗塁を達成したロナルド・アクーニャJr.、今季メジャー最高の54本塁打を放ったマット・オルソンをはじめ、歴代最多タイの307本塁打、947得点を叩き出した強力打線はまさに脅威だ。
ただ、それでもフィラデルフィアの勝負師軍団に恐れはない。
「すでに何度も対戦してきたから、ブレーブスがどれだけいいチームかはわかっている。ただ、私たちはポストシーズンの成功のために構成されたチームだ。みんな自信を持っているし、楽しいシリーズになるよ」 ワイルドカード・シリーズ終了後、シャンパンファイトの飛沫の中で捕手のJT・リアルミュートがそう述べていた通り、この時期に照準を合わせてきたフィリーズはブレーブスとの真っ向勝負で太刀打ちできる数少ないチームではあるのだろう。実際、昨年の地区シリーズでは圧倒的な声援も追い風にして3勝1敗で下克上を果たしている。
日程的にウィーラー、ノラを第1戦では先発起用できないだけに、第2戦が最初のポイントか。アトランタでの2試合で何とか1勝を挙げ、昨季同様、1勝1敗で絶対の自信を持つシチズンズバンク・パークに戻ってくれれば面白くなる。そのときにはメジャー最高の“ホームフィールド・アドバンテージ”がものをいう可能性も出てくるはずだ。
群雄割拠のナ・リーグのバトルはここでハイライトを迎える。2年連続でのリーグ制覇を目指すフィリーズか、2年ぶりのワールドシリーズを狙うブレーブス か。スリリングな予感とともに、決戦の開始までもうあとわずかである。
取材・文●杉浦大介
【著者プロフィール】
すぎうら・だいすけ/ニューヨーク在住のスポーツライター。MLB、NBA、ボクシングを中心に取材・執筆活動を行う。著書に『イチローがいた幸せ』(悟空出版 )など。ツイッターIDは@daisukesugiura。
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