「Atta boy」というのは、「頑張ったね」、「よくやった」を意味するスラングだが、この場合はもちろん、試合終了のダブルプレーを「走塁ミス」だとして、手痛い敗戦の責任を背負わされたハーパーに対する皮肉である。
よくある話なのだが、今はSNS全盛の世の中である。
この一件は瞬く間にフィリーズファンの間に広まり、続く第3戦の試合前、アルシアがウォームアップのために敵地球場のフィールドに姿を現しただけでブーイングが怒号のように飛んだ。彼が打席に立つと、さらに大きなブーイングが起こり、フィリーズファンは「俺たちが応援する選手に、お前はやっちゃいけないことをしたんだぜ」と迫ったのだ。
タフな街で生きるタフな人々を象徴する、少し意地悪な声援に応えたのは、他ならぬハーパーだった。前出の勝ち越し3ラン本塁打を放つと、彼はベースを一週する時に二塁ベースの近くにいたアルシアを、睨みつけたのだ。
「Did you see that(あれ見た)?」と隣に座っていたフィリーズ番の記者に言われるまで気づかなかったが、そのシーンはテレビでも再生され、再びSNSで拡散された。ハーパーは続く5回にも、センター後方へ2打席連続となるソロ本塁打を放ち、やはり二塁ベースを回る時にアルシアを睨みつけた。
試合後、(質問のタイミングは前後するが)彼はこんな風に受け答えしている。 ――どうやってアルシアの発言を知ったのか?
「チームメイトから。それだけのことさ。彼らは俺を見て、『で、どうすんだよ?』みたいな感じだった」
――アルシアの言葉は、この試合のモチベーションになったのか?
「誰かが何かを言ったら、だよ。どちら側にいても。俺たちがプレーしているのはとても激しい競争があるゲームなんだ。俺は発言とかそういうのを、愉しんでいる。前にも言ったことがあるけど、WIP(地元のスポーツ専門FM局)を聞いてたら、いつだってそういうことは聞こえてくるけど、俺は愉しんでいる。
そういうのはこのゲームをプレーする一つの理由になってるし、(ホームランを打ってアルシアを睨みつける)ああいう瞬間やそういうチャンスにプレーすることを愉しんでいるだけなんだ」
――睨みつけて楽しかったかい?
「ああ、彼をしっかり睨みつけたよ」
――何か言ったのか?
「いや、(そんなことは)絶対にしない」
最後のひと言は、「挑発されても、こっちから挑発はしない」という慎重な気持ちか、それとも伝統的なベースボールの流儀に対するリスペクトか。大事なのは、「俺がここ(フィリーズ)と契約したのには理由があるんだ」と彼が続けた部分にある。
「全力を出しきって、この街、(オーナーのジョン・)ミドルトンさん、この球団にトロフィーをもたらすことだ。それがすべてで、考えただけで鳥肌が立つ。俺は本当にこの場所を愛しているんだよ」
よくある話なのだが、今はSNS全盛の世の中である。
この一件は瞬く間にフィリーズファンの間に広まり、続く第3戦の試合前、アルシアがウォームアップのために敵地球場のフィールドに姿を現しただけでブーイングが怒号のように飛んだ。彼が打席に立つと、さらに大きなブーイングが起こり、フィリーズファンは「俺たちが応援する選手に、お前はやっちゃいけないことをしたんだぜ」と迫ったのだ。
タフな街で生きるタフな人々を象徴する、少し意地悪な声援に応えたのは、他ならぬハーパーだった。前出の勝ち越し3ラン本塁打を放つと、彼はベースを一週する時に二塁ベースの近くにいたアルシアを、睨みつけたのだ。
「Did you see that(あれ見た)?」と隣に座っていたフィリーズ番の記者に言われるまで気づかなかったが、そのシーンはテレビでも再生され、再びSNSで拡散された。ハーパーは続く5回にも、センター後方へ2打席連続となるソロ本塁打を放ち、やはり二塁ベースを回る時にアルシアを睨みつけた。
試合後、(質問のタイミングは前後するが)彼はこんな風に受け答えしている。 ――どうやってアルシアの発言を知ったのか?
「チームメイトから。それだけのことさ。彼らは俺を見て、『で、どうすんだよ?』みたいな感じだった」
――アルシアの言葉は、この試合のモチベーションになったのか?
「誰かが何かを言ったら、だよ。どちら側にいても。俺たちがプレーしているのはとても激しい競争があるゲームなんだ。俺は発言とかそういうのを、愉しんでいる。前にも言ったことがあるけど、WIP(地元のスポーツ専門FM局)を聞いてたら、いつだってそういうことは聞こえてくるけど、俺は愉しんでいる。
そういうのはこのゲームをプレーする一つの理由になってるし、(ホームランを打ってアルシアを睨みつける)ああいう瞬間やそういうチャンスにプレーすることを愉しんでいるだけなんだ」
――睨みつけて楽しかったかい?
「ああ、彼をしっかり睨みつけたよ」
――何か言ったのか?
「いや、(そんなことは)絶対にしない」
最後のひと言は、「挑発されても、こっちから挑発はしない」という慎重な気持ちか、それとも伝統的なベースボールの流儀に対するリスペクトか。大事なのは、「俺がここ(フィリーズ)と契約したのには理由があるんだ」と彼が続けた部分にある。
「全力を出しきって、この街、(オーナーのジョン・)ミドルトンさん、この球団にトロフィーをもたらすことだ。それがすべてで、考えただけで鳥肌が立つ。俺は本当にこの場所を愛しているんだよ」
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