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プロ野球

スライダーの威力は抜群だが、ストレートのコントロールに大きな問題…投手・根尾昂の「課題と今後の可能性」<SLUGGER>

DELTA

2023.12.22

 根尾は空振りこそ奪えるもののストライクゾーンにボールを集めることができず、自らカウントを悪くしてしまっている。先ほど根尾の与四球の多さについて言及したが、これはカウントをとる能力の低さに起因するものだ。カウント球こそ根尾の最大の課題なのである。

 特に大きな問題となっているのが根尾の投球の7割弱を占めるストレートだ。根尾のストレートは投じられたうち40.5%もの割合でボールとコールされている。リーグ平均が35.0%であるため、5%以上もボールになる割合が高い。これではカウント球として機能しない。根尾が投手としてレベルアップするには、このストレートを適切に制球できるようになるか、別のカウント球を用意する必要があるだろう。
 ただ、カウント球にこれほど問題があるにもかかわらず、二軍の平均レベルには三振が奪えているのはさすがだ。それだけボールの力があるということだろう。今後カウント球に改善が見られれば、一軍での戦力化も視野に入ってくるのではないだろうか。

※奪三振%=奪三振/打者、与四球%=与四球/打者、ゴロ%=ゴロ/ファウルを除くインプレー打球(邪飛含む)

文●大南淳(DELTA)

【著者プロフィール】
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』の運営、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。


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