●5位 新ルール導入で試合時間が劇的短縮
今季はベースサイズ拡大、守備シフトの制限などの新ルールが導入されたが、中でも一番インパクトが大きかったのはピッチクロックだろう。投手はボールを受け取ってから無走者時は15秒以内、走者がいる時は20秒以内に投球モーションに入らないと1ボールを取られ、打者も8秒以内に打席に入って構えないと1ストライクとなる厳格さで、春先は多少の混乱も生じた。だが、そもそもの目的であった試合時間の短縮には効果てきめん。昨年から20分以上もスピードアップに成功し、1試合平均の観客動員も増えるなどファンにも好評だった。
●4位 第5回WBCで日本が3度目の優勝
本来は2021年開催予定だったのが、コロナ禍の影響で2年順延された第5回WBC。前回優勝国のアメリカがマイク・トラウトを中心に史上最高のメンバーを揃えれば、日本も大谷翔平が初参戦したほか、初の“助っ人サムライ”としてラーズ・ヌートバーが参加したのも話題を集め、1次ラウンドから大盛り上がり。テレビ視聴率は軒並み40%以上の国民的イベントと化した。
村上宗隆の逆転サヨナラ二塁打が飛び出し、劣勢をひっくり返した準決勝のメキシコ戦も伝説の一戦となったが、決勝の日米決戦はそれを超えるドラマが待っていた。緊張感に満ちた接戦の締めくくりは、大谷対トラウトという大会史上最高のシーンが実現。大谷が渾身のスイーパーでトラウトを三振に取り、日本が14年ぶり3度目の優勝を果たした。
●3位 レンジャーズが創設63年目で初の頂点
2021年オフにレンジャーズがコリー・シーガーとマーカス・セミエンを獲得した時、102敗を喫した直後とあって批判の声が少なくなった。だが今季、彼らは自分たちが正しかったことを証明する。開幕から快進撃を続け、夏場にはマックス・シャーザー、ジョーダン・モンゴメリーらを補強。最終盤で失速して地区優勝こそ逃すが、ポストシーズンではシーガーとアドリス・ガルシアの活躍もあって、格上のチームを次々に破って12年ぶりのワールドシリーズへ進出した。
ダイヤモンドバックスとの頂上決戦でもシーガー&ガルシアのバットが火を噴き、4勝1敗でついに球団創設63年目にして初のワールドチャンピオンとなった。ブルース・ボウチー監督はこれで実に4度目の世界一。史上屈指の名将との評価を改めて強固にした。
●2位 大谷が日本人初の本塁打王&2度目の満票MVP
途中まで「史上最高のシーズンを送っているのでは?」と言われていたほど、今季の大谷の活躍は凄まじかった。打撃では9月の本塁打が0本でもなお、44本で日本人打者初のタイトル。数字的にも凄かったのは言うまでもないが、今季メジャー最長の150m弾を放つなど、数々の驚異的なパフォーマンスで見る者の心を震わせた。
ピッチングでも開幕直後はスイーパーが冴え、4月は4勝0敗、防御率1.85。その後は爪が割れるなどのアクシデントにも見舞われたが、7月27日のタイガース戦で初完封を記録、2年連続の2ケタ勝利にも到達した。8月に右ヒジを痛めて手術が決定、また脇腹の負傷で9月3日が最後の出場になったが、それも史上初となる2度目の満票MVPを妨げはしなかった。
●1位 アクーニャが前人未到の40-70を達成
今季から導入された大きな新ルールがベースのサイズ拡大と、投手が牽制できる回数の制限。盗塁しやすくすることで、よりアクティブなプレーを増やそうとの目論見だったが、それがメジャー史上初の快挙につながった。
これまで年間40本塁打&40盗塁、いわゆる40-40を達成した選手は4人いたが、その中で最も盗塁数が多かった1998年のアレックス・ロドリゲスでも46個。だが、今季41本塁打を放ったロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)は、これを大幅に超える73盗塁。40-50、もしくは30-60でも新記録だったところを、一挙に40-70まで伸ばした。盗塁の他にも安打、出塁率、OPSなどもリーグ1位、打率.337も2位。大谷翔平を抑えて選手間投票で最優秀選手に選ばれたのも決して意外ではなかった。
文●出野哲也
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今季はベースサイズ拡大、守備シフトの制限などの新ルールが導入されたが、中でも一番インパクトが大きかったのはピッチクロックだろう。投手はボールを受け取ってから無走者時は15秒以内、走者がいる時は20秒以内に投球モーションに入らないと1ボールを取られ、打者も8秒以内に打席に入って構えないと1ストライクとなる厳格さで、春先は多少の混乱も生じた。だが、そもそもの目的であった試合時間の短縮には効果てきめん。昨年から20分以上もスピードアップに成功し、1試合平均の観客動員も増えるなどファンにも好評だった。
●4位 第5回WBCで日本が3度目の優勝
本来は2021年開催予定だったのが、コロナ禍の影響で2年順延された第5回WBC。前回優勝国のアメリカがマイク・トラウトを中心に史上最高のメンバーを揃えれば、日本も大谷翔平が初参戦したほか、初の“助っ人サムライ”としてラーズ・ヌートバーが参加したのも話題を集め、1次ラウンドから大盛り上がり。テレビ視聴率は軒並み40%以上の国民的イベントと化した。
村上宗隆の逆転サヨナラ二塁打が飛び出し、劣勢をひっくり返した準決勝のメキシコ戦も伝説の一戦となったが、決勝の日米決戦はそれを超えるドラマが待っていた。緊張感に満ちた接戦の締めくくりは、大谷対トラウトという大会史上最高のシーンが実現。大谷が渾身のスイーパーでトラウトを三振に取り、日本が14年ぶり3度目の優勝を果たした。
●3位 レンジャーズが創設63年目で初の頂点
2021年オフにレンジャーズがコリー・シーガーとマーカス・セミエンを獲得した時、102敗を喫した直後とあって批判の声が少なくなった。だが今季、彼らは自分たちが正しかったことを証明する。開幕から快進撃を続け、夏場にはマックス・シャーザー、ジョーダン・モンゴメリーらを補強。最終盤で失速して地区優勝こそ逃すが、ポストシーズンではシーガーとアドリス・ガルシアの活躍もあって、格上のチームを次々に破って12年ぶりのワールドシリーズへ進出した。
ダイヤモンドバックスとの頂上決戦でもシーガー&ガルシアのバットが火を噴き、4勝1敗でついに球団創設63年目にして初のワールドチャンピオンとなった。ブルース・ボウチー監督はこれで実に4度目の世界一。史上屈指の名将との評価を改めて強固にした。
●2位 大谷が日本人初の本塁打王&2度目の満票MVP
途中まで「史上最高のシーズンを送っているのでは?」と言われていたほど、今季の大谷の活躍は凄まじかった。打撃では9月の本塁打が0本でもなお、44本で日本人打者初のタイトル。数字的にも凄かったのは言うまでもないが、今季メジャー最長の150m弾を放つなど、数々の驚異的なパフォーマンスで見る者の心を震わせた。
ピッチングでも開幕直後はスイーパーが冴え、4月は4勝0敗、防御率1.85。その後は爪が割れるなどのアクシデントにも見舞われたが、7月27日のタイガース戦で初完封を記録、2年連続の2ケタ勝利にも到達した。8月に右ヒジを痛めて手術が決定、また脇腹の負傷で9月3日が最後の出場になったが、それも史上初となる2度目の満票MVPを妨げはしなかった。
●1位 アクーニャが前人未到の40-70を達成
今季から導入された大きな新ルールがベースのサイズ拡大と、投手が牽制できる回数の制限。盗塁しやすくすることで、よりアクティブなプレーを増やそうとの目論見だったが、それがメジャー史上初の快挙につながった。
これまで年間40本塁打&40盗塁、いわゆる40-40を達成した選手は4人いたが、その中で最も盗塁数が多かった1998年のアレックス・ロドリゲスでも46個。だが、今季41本塁打を放ったロナルド・アクーニャJr.(ブレーブス)は、これを大幅に超える73盗塁。40-50、もしくは30-60でも新記録だったところを、一挙に40-70まで伸ばした。盗塁の他にも安打、出塁率、OPSなどもリーグ1位、打率.337も2位。大谷翔平を抑えて選手間投票で最優秀選手に選ばれたのも決して意外ではなかった。
文●出野哲也
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