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高校野球

健大高崎が2試合連続継投での完封勝利!7年ぶりのベスト8進出を決める

THE DIGEST編集部

2024.03.27

 高校野球の舞台で、継投が難しいのは投手交代の及ぼす影響だ。トーナメント戦のため、一つの失費が命取りになる。自チームの状態だけを考えるだけでいいのであればさほど問題ではないが、投手を交代させることが相手にとって気持ちを楽にさせることもある。好投、ましてや0点に抑えている展開からの投手交代はリスクをはらむものだ。

「試合の流れもありますけど、その点は割り切っていますね。投手への負担とこれからの戦いと選手の将来を考えてね。酷使してもしょうがない。普段の練習試合でも土日があっても連投しない。球数をかぎってやっているのでその辺はピッチャーファーストの考えですね」。

 青柳監督は投手交代に関しては完全に割り切っていると言えるかもしれない。それには過去の失敗も多くあるからで、球数制限がルール化されてからは、高校野球においては当然のことと受け止めている。

「これからの試合ではそういうわけにはいかない。佐藤が早くに点を取られることもあるし、他のピッチャーも出して総力戦で戦わないといけない時が来ると思います」。
 
 健大高崎は、ここ5年でセンバツ4回出場(1回はコロナで中止)。実は出場するたびに陰の優勝候補と注目を浴びてきた。今大会も、大阪桐蔭や広陵が優勝候補と騒がれる中、健大高崎の前評判も実は高いのだ。

「佐藤と2人で0に抑えて優勝したい。(最後にマウンドに立っている)イメージはあります」。

 一戦必勝を忘れずに持ちながら、それでいて良いイメージを持つクローザーの存在は頼もしいだろう。1、2回戦を快勝して次なる舞台へ進む。

 陰の優勝候補は今度こそ大願成就を果たすことができるのだろうか。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園は通過点です』(新潮社)、『baseballアスリートたちの限界突破』(青志社)がある。ライターの傍ら、音声アプリ「Voicy」のパーソナリティーを務め、YouTubeチャンネルも開設している。

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