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MLB

「0勝162敗になってほしい」衝撃発言で話題を振りまいてきたイアン・キンズラーは殿堂入りできるのか?

宇根夏樹

2019.12.26

 殿堂公式ページの分類によると、二塁を主要なポジションとした殿堂選手は20人いる。そのうちの5人は2000安打に達していない(二グロリーグでしかプレーしていないフランク・グラントを含む)。ただ、1947年に「カラーバリア(人種の壁)」を破ったジャッキー・ロビンソンをはじめ、5人とも今から半世紀以上も前にプレーした選手ばかりだ。

 キンズラーはパドレスに残ってフロント入りするが、現役続行という選択肢もあった。2年800万ドルの契約は、あと1年残っていた。20年の年俸は375万ドル。パドレスが21年の球団オプション(年俸350万ドル)を破棄する際の50万ドルと合わせると、残りは425万ドルとなる。
 
 引退の理由について、キンズラーは『ジ・アスレティック』のケン・ローゼンタールに「キャリアを通して100%の力を注いできたのが中途半端になることは、自分のプライドが許さない」と語った。そこには、過去の発言と同じような歯切れの良さとともに、潔さが感じられる。

 たとえ、殿堂入りできずとも、キンズラーは時代を代表する二塁手だった。また、ユニフォームを脱いでも球界を離れるわけではないので、我々を愉しませる(?)発言は、来シーズンも引き続き期待できそうだ。

文●宇根夏樹

【著者プロフィール】
うね・なつき/1968年生まれ。三重県出身。『スラッガー』元編集長。現在はフリーライターとして『スラッガー』やYahoo! 個人ニュースなどに寄稿。著書に『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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